PARALLEL パラレルのレビュー・感想・評価
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自主製作映画の極み、作家の内から溢れ出た結晶
他人とのコミュニケーションがさらに希薄になった時代に、必然的に産み落とされた傑作か、それとも問題作か―。田中大貴監督が製作・脚本・撮影・照明・編集・特殊造形・VFXも兼任した本作は、自主製作映画の極みの一本と言え、作家の内から溢れ出た結晶である。
ボカロ的な音楽とともに、劇中のアニメ作品はそれだけでしっかりと世界観が構築されている。また殺人描写や、過去の記憶、現実世界の日常の映像が、赤と青を基調とした色彩とともに押し寄せ、見る者を圧倒する。その一方で、懐かしい記憶や、静寂の風景と音楽、そして2人のどこか悲しげでありながら、愛を乞うような表情が、それまでの狂気との対比になっている。
楢葉ももなが長編映画初主演とは思えない存在感で舞を演じ、殺人鬼の多面性を芳村宗治郎が繊細に演じ分けている。振り切ったスプラッター映画としてだけでも充分濃度は高いが、ラブストーリーの形をとりながら、現代社会の壊れた心、稀薄化した人間関係、そして現実世界での本当の自分とは何なのか、という田中監督の真の思いが、見終わった後に響いてくるだろう。
so beautiful !!
なんて美しく残酷で優しい映画!
というのが鑑賞しての素直な感想。
それぞれに親からの壮絶な虐待を受けて育ったパパ活女子とコスプレ殺人鬼の純愛ホラーもの。
「私たちが受けたどんな傷も、どんな苦しみだって、いつか強力な魔法になって・・・必ず・・・輝くから!」
この劇中アニメキャラのセリフが映画のメッセージとして胸に刺さった。
闇の奥に繋がる傷と傷の美しい絆!
自主製作と映画館で流せる範囲のギリギリのライン
今年253本目(合計1,345本目/今月(2024年7月度)16本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
(前の作品 「呪葬」→この作品「PARALLEL パラレル」→次の作品「」)
他の方も書かれていますが、自主作品とミニシアターで流せるギリギリの範囲かなという気がします。実際、放映されていたのはミニシアターでしたし…。
80分ほどの映画なのでストーリーは発散しないかなと思いつつ、児童虐待の問題を問いたいのか、映画内で参照されるアニメ(何とかカイニがどうこう)の話なのか、あるいはある種ホラーなのか、展開が色々発散して読みづらいといったところです。幸いにも現在はVODで見られるようなので、それ優先もありなのかな…といったところです。
この「何とかカイニがどうこう」については、過去に上映されていた映画館ではそこだけ切り取ったアニメ作品を両方上映されていた映画館(ミニシアターが中心)があったようですが今回はなし。この点も、この映画内ではこのアニメの話はちらっと出るか出ないかなので(極論、出なくても問題はない)、さらに混乱させてくるような気がします。
近畿圏では放映されている映画館があったのでみましたが、ここ(映画.com)ではVODでも見られるようですし、VODでもよいのでは…という気がします(上記に書いたとおり、この映画で触れられる「カイニ」の話が含まれない上映形態だと理解度が落ちるため)。
採点にあたっては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/金銭債権は履行不能になるか)
金銭債権は履行不能になりません(419条)。「スマホがない」(映画内)は言い訳にならず、「不可抗力をもって抗弁することができない」ため(419条の3)、金銭債権(金銭の貸し借り)は、極論、大地震などでATMが止まっている状況でも期限が来れば「返して」に返して対抗できません(権利濫用の問題除く)。これは、金銭を貸している側の保護をはかったものです(実際、民法大改正のときには、「大災害等は除くべき」といった意見も出たようですが「貸した側の権利を守るべき」ということで改正はされていません)。
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新時代のヌーヴェルヴァーグ監督作品
『PARALLEL パラレル』を映画.com配信で観た。
もう中高年である私が若き青春時代に観た映画を思い出した。パラレルはどこか懐かしいが新しい作品で奥深く味のある、何度も観てみたくなる作品だ。
フランス・ヌーベルヴァーグの旗手であるジャン・リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』(P・ベルモント/ジーン・セバーグ主演)や日本の大島渚監督の『愛のコリーダ』や松本俊夫監督の『薔薇の葬列』なども同時代のヌーヴェルヴァーグで、若い時代に観たそれらを彷彿とさせる作品である。
新時代のヌーヴェルヴァーグとして次回作品をも期待できる監督作品だ!
血塗れの純愛
大学の卒業制作として手がけたヒーロー映画「FILAMENT」が高く評価された田中大貴監督の第15回田辺・弁慶映画祭のコンペティション部門に出品され、映画.com賞を受賞した本作では、心に傷を抱える少女と、アニメの世界へ行きたい殺人鬼が織りなす心の交流を描いた異色のスプラッターラブストーリーが展開する。
幼い頃に両親から虐待されていた舞は、自身の辛い過去と折り合いをつけることが出来ず、親友・佳奈とただ時間を忘れて遊ぶだけの毎日を送っていた。
そんな或る日、舞は美少女アニメキャラクターのコスプレ姿で殺人を繰り返している殺人鬼に遭遇する。
舞に興味を抱いた殺人鬼は、正体を隠して彼女に接近する。
舞は自身の心の傷を、殺人鬼は自分の本当の姿を隠しながらも、2人は強く惹かれ合っていく。
しかし、お互いが隠している本当の姿を知ることは、別れを意味していた。
人々が日常で仮面を被っているような今の社会で、正義と悪、リアルと仮想、暴力とゴアで彩られた純愛を描く本作は、怒涛の終盤の後に訪れるエモーショナルなラストが印象的な余韻を残します。
ロン毛パワハラ野郎のキャラ面白すぎ
あの最低ゲス女の、自分より劣位の者を側に置くと安心する、みたいな言い草は結構痛いところを突いていると思った。虐めの根底にはこういう動機があるんだろうな。
スプラッタ場面については、あまり安っぽくなく出来は良かったと思うが、ああいうのは慣れが生じるから(でなかったら刑事や医療者は仕事を続けられないだろう)それだけを売り物にしてたら多分飽きられてしまう。
弱きものたちの素敵な純愛。
な、なんて素敵なゴア純愛。
異様な魔法少女コスプレで殺人動画を流す殺人鬼と、虐待両親を女装殺人鬼に殺された過去を持つ舞、二人のラブムービー。
印象的なキービジュアルとゴア描写のイメージがあったため、てっきり変な映画(失礼笑)かと思ってたのに、いざ観てみたら“傷ついた男女の恋愛模様”で驚いた。いい意味で裏切られた🥺
搾取される女性と普通でいられなかった青年の描写が最後に活きてきて、正直“いい話だな”と思った。大事なものを持てなかった人間が頑張るのはとても好き。
恵まれた人たちへのアンチテーゼだと勝手に思っている😄
上記ゆえに、個人的にはラブロマンスもしくはヒューマンドラマとして観た、これに対しての賛否は認めます🤣
まあでも皆さん、とりあえず観てみてよ!
※ゴア描写は初心者レベルだけど、超苦手な人は観れないかも🙏
邦画の未来を明るくする作品といっても過言ではない!ぜひ劇場でご覧ください~。
内容も質も素晴らしかったと思います
正直かなり自主制作の色は濃いとは思いました。ただ、それゆえに感じる質の高さはものすごいものがありました。製作上の質もそうですが、観賞されうるにふさわしいだけの質の高さというのでしょうか、決して妥協とか独りよがりといったことがない・・・その辺は微妙でともすれば勝手な話とか展開、表現だと見なされかねないところをギリギリのラインで広く伝えたいのだという主張がされていて、予想外に見入りました。
映像、音楽ともに非常に丁寧に感じたし、色んな創意工夫でもって感情を刺激していたように感じました。
かなり優れた作品だと思います。
スプラッタが好きなので観てきました
ラブストーリー×スプラッタってどんな感じなんだろと気になり先日観てきました。
想像以上に裏切りや過去の闇。変身願望?承認欲求?や居場所がない事がうまく表されていてすごく面白かったです。
スプラッタが好きな僕も好きな描写がたくさんあったのでワクワクしながら観る事が出来ました!
そしてラブシーンかは不明ですがキュンとした場面もありました。
殺人鬼さんがアニメの良さを語ってわかってもらえた時の嬉しそうな笑顔あれはキャンとした。2人がこれから幸せになていくのを心の底から願ったしぼくも幸せをもらいました。
これは観る人によって色々な感情が生まれそうな映画なのでみんなにオススメして感想を聞くのも一つの楽しみになりそうだなぁと思いました。
粛清
マスクにカツラで顔を隠した連続殺人犯と、犯人に興味を示す心と身体にキズを持つ20歳の女性の話。
7年前自分を虐待していた両親が女装殺人犯に殺され助けられた経験を持つ女性が、合コンで知り合った男に襲われそうになっているところでニアミスし、巻き起こっていくストーリー。
光る様を配信したりしなかったりのさじ加減は何なんだろう?という疑問はありつつも、舞に興味を惹かれるサリーと、両親がいないというミッキーに興味を抱く舞と、そして人造魔法少女カイニとみせていく。
そして頭では言い分も理解出来るところもあるけれど、イッちゃってる男の憂いと嘆きとそして2人の抱えるキズと。
そこにクソ女やクソコメンテーターなんかも絡んでくるし、閉塞感とやり切れなさが堪らなかった。
エンタメとして満足❗️
推しの女優さんが出ているので観てみました。
田中監督にとって初の長編、自主制作とは思えないクオリティで、
大手商業作品と比べても引けを取らない完成度でした。
各映画賞で高評価なのもうなずけます。
日大芸術つながりのスタッフキャストさんだそうですが、
全体で「こういう作品を作りたい」という作家性は
すごく強く感じました。
シナリオと映像美のバランスがとても良く、
眼と心の両方で、最後まで飽きることなく楽しめました。
ホラー要素もありますが、グロすぎず、
カラフルでアーティスティックなエンタメとして
楽しめる作品だと思いました。
中二病が考えた最強の映画ってきっとこんな感じでしょうね
インディーズ映画のポスターって、内容が伝わらないピンボケタイトルや薄めビジュアルの物ばかりなんですが、これは内容が伝わらないながらも強烈なインパクトを放っていたのが目に留まったので鑑賞してみることにしました
が、結果は別に観なくてもよかったなぁと思います
照明とかカラコレで奇抜な色使いをしていますが、それを除いたら大して個性が無いんですよね
アニメの被り物をした殺人鬼というキャラがもう出オチというか、見かけ倒しというか、快楽殺人鬼とアニメという中二病が好きで在り来たりな要素の組み合わせでしかないんですよね
しかもその組み合わせが上手く親和していないし、深みも作れてないし、監督が描きたい要素やシーンを取捨選択せずに全部ムリヤリ突っ込んだ感もあるから、構成の所々でブツ切りになっている箇所が散見しています
キャラクターにも一貫性を感じませんし、支離滅裂な人物ばかりが登場します
ストーリーを無理に展開させたためにキャラクターたちが場当たり的に別人のような行動や思考をしているのが見ていて本当にキツい映画でした
監督さんも低予算だからこそ色々な専門技術のことを全部勉強して全部自分で頑張っているのはすごく伝わります
その辺が評価されていくつか学生映画祭で入選したんでしょうね
しかしながら、それがただの器用貧乏にしか思えないというか、脚本にも色んな要素を混ぜ込んでいるから、結局この監督さんがしたいことは何だったのか、訴えたいテーマはなんだったのか、それが全く伝わってきませんでしたね
要素が多すぎて1番までもピンボケしちゃってるんですよね
もしかすると主人公のアニメの被り物をした殺人鬼のセリフの中に監督さんが1番訴えたいことがあったのかもしれませんが、それ自体が中二病の域を出ていないから、いい年した自分にはスゴい幼稚なストーリーにしか思えなかったです
監督さんは映画ばかり作っていないで、アニメとか見ないで、快楽殺人鬼とかに興味を持たないで、社会にちゃんと目を向けて、そこから題材を探したほうが良いと思いました
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