「血塗れの純愛」PARALLEL パラレル 玉川上水の亀さんの映画レビュー(感想・評価)
血塗れの純愛
大学の卒業制作として手がけたヒーロー映画「FILAMENT」が高く評価された田中大貴監督の第15回田辺・弁慶映画祭のコンペティション部門に出品され、映画.com賞を受賞した本作では、心に傷を抱える少女と、アニメの世界へ行きたい殺人鬼が織りなす心の交流を描いた異色のスプラッターラブストーリーが展開する。
幼い頃に両親から虐待されていた舞は、自身の辛い過去と折り合いをつけることが出来ず、親友・佳奈とただ時間を忘れて遊ぶだけの毎日を送っていた。
そんな或る日、舞は美少女アニメキャラクターのコスプレ姿で殺人を繰り返している殺人鬼に遭遇する。
舞に興味を抱いた殺人鬼は、正体を隠して彼女に接近する。
舞は自身の心の傷を、殺人鬼は自分の本当の姿を隠しながらも、2人は強く惹かれ合っていく。
しかし、お互いが隠している本当の姿を知ることは、別れを意味していた。
人々が日常で仮面を被っているような今の社会で、正義と悪、リアルと仮想、暴力とゴアで彩られた純愛を描く本作は、怒涛の終盤の後に訪れるエモーショナルなラストが印象的な余韻を残します。
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