「I’m born again 的なヤツ。」帰らない日曜日 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
I’m born again 的なヤツ。
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メイドに許された1日だけの休暇に起きた出来事、なんだけど。
ポールとジェーンの関係には感づいていたと思われるニヴン卿。
ポールの死後、何らかの証拠が自室に残されていないかを気にする彼。
「さようならジェーン」と言うポールの言葉からは自殺の兆候も読み取れ。
ガソリンに引火したとすれば白煙は上がらないから、あれは命を失った後の事故。
と言う流れの末の、ジェーンのこの言葉。
「4つ目の脚は私だったの」
マザリング・デーに帰る家が無いジェーンは、「つがい」不在の家に招き入れられ、性愛にふける。ポールが一人出かけた後の、広い、無人の家を、生まれたままの姿で歩き回り、本に手を伸ばし、パイを食べビールを飲み。そして服を着て出て行く。ポールの裸身の後ろ姿を鏡の中に見たような気がした後に。
まるで、シェリンガム家で生まれた娘の様に。
と言うか、ここで過ごした、この午後の体験で、彼女は、もう一度生まれた。
てな感じの、文学作品です。
ヤバい。画がとことん綺麗ですもん。文学作品に相応しい時間感覚ですもん。コリン・ファースにオリビア・コールマンと、脇を固めるのは名優中の名優です。美しい英国の牧歌的風景、と言うより、美しく撮ったと言うべきでしょうか。
終演の場面の染み方と言い、後味の良さと言い、「珠玉」と言う言葉が相応しい一本でした。
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