「映像美と衝撃と」帰らない日曜日 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
映像美と衝撃と
一枚一枚めくって味わいたいような妥協のない絵画的構図と光。既視感も心地よい幸せな映像体験でした。
時系列がポンポンと入れ替わるカットで構成された脚本も小気味よし。
どうしたって盛り上がりそうな若い二人の秘め事。それにしても、いつまで裸でウロウロしてるの〜!?とざわつく老婆心。しかしこれは全くもって下世話なことでした。
簡単に「死」をストーリーの転換にもってくるのは安易と思っていますが、この映画に関しては実に滑らかな必然性を感じました。
そして、日本人にとっては圧倒的に「第二次」の方ですが、ヨーロッパの人たちにとっては第一次世界大戦というのはとんでもない歴史的トラウマだということを改めて具体的に表現してくれていました。
コリン・ファースとオリビア・コールマン夫婦、よかった。特にオリビア・コールマンがラスト近く、孤児である主人公に「初めから全てを奪われていたあなたは幸せだ。失うものがないことは、あなたの才能」みたいな意味のことを言って抱き寄せるセリフには泣かされた。実際は皮肉な事態だったんだけど、ね。
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talismanさんのコメント
2022年6月12日
一つ一つに頷きながらレビューを拝読しました。いつまで裸でウロウロしてんじゃい!と私も心配しました。それから第一次大戦がイギリスの映画、TVドラマ、小説で本当に何度も大きく扱われること私も気がつきました。