「しぶとくもがいて生きてやる。」PLAN 75 puccinoさんの映画レビュー(感想・評価)
しぶとくもがいて生きてやる。
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子供の頃、祖母が入所していた老人ホームに行くたびに「早く死にたい〜」と切実に大声で職員に訴えかけるように叫んでいる一見健康そうな女性の入居者がいた。今思うと彼女は毎日がつまらなかったのか、身寄りが誰もいなくて淋しかったのか、生きている意味が見出せなくて辛かったのか。子供ながらになんとも居た堪れない気持ちになったのを思い出した。
75歳を過ぎたら自ら生死を選択できる制度が導入された社会。
自分が将来そのような状況になった時のことを想像してみた。病気で寝たきりだったら考えるかもしれない。誰かに反対されても。でもさぞかし死ぬことが悔しくて堪らないだろうと思う。
元気で健康であっても生活できない生きていけない生きる意味が見出せないと悲観するなら死んでもいいんだよって。明るい未来も希望のかけらもない内容でした。
コールセンタースタッフの若い女性。最後突然観客側であるこちらに視線を投げかける。
そうではなく、せめてくやし涙を流す姿を見せて欲しかった。それだけでこの映画の印象が少し救われた気持ちになれたのかな…と。
自ら死を選択した人間に対して誰も涙を出して悲しまないなんてそんな世界は嘘だ。
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