劇場公開日 2022年6月17日

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「あくまであり得ないフィクションだという前提」PLAN 75 まっちゃまるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あくまであり得ないフィクションだという前提

2022年6月23日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

フィクションだと解っていても、見るかどうするか迷ってしまった。悲しく辛いものを感じることがわかっていたからだ。
この映画は、ブレードランナーのような近未来的設定演出で撮ることも出来たはずだが、あたかも現代の日本でこういう制度がスタートしたら、というドラマになっている。恐らく高齢化問題解決策の愚かな例を描きたかったわけではなく、そういう設定を通して見える、人との繋がりや距離感、そこで生まれる感情、価値観に気付く瞬間などを表現したかったのかなと思う。
個人的には余計な説明や表現が削ぎ落とされ、情景や設定、表情から読み取らせるこの描き方が見やすかったように思う。やはり賠償千恵子さん、素晴らしい。あの表情と歩く姿で語り尽くしている。それでいて発する声が全く衰えておらず、滑舌もはっきりしているところは普通のお婆さんではない!だからこそ、まだ頑張れるんじゃない?と思えるのかもしれない。
親には見せたくない作品だなあ、と苦笑しつつ非常に難しい設定を作品にした勇気に拍手したいと思う。

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まっちゃまる