「カール・・・」苦い涙 ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
カール・・・
前のめりに、這いずって泥だらけになりながらひたむきに、けれど深みにハマっていく様は傍から見ている他人にはなんとも可笑しいものです。
しかし人と人は磁石のNとSのように惹かれ合いピッタリとくっつき離れない時期は短くて、いつの間にか同じ極が並んでしまい、結びつきたいのに離れてしまう、ギリギリまで近づいたと思ったら、クルリと背を向けてしまうものなのかもしれないなぁと、ピーターとアミールの関係を見るにつけ思わされました。
それにしてもカール、まさに「ザ・70年代」なファッションが細身のボディにはりついて、なんと素敵なことよ!なのに何故?彼が心から笑える日がやってくることを願わずにいられませんでした。
ピーターのようにひたすら感情を発露することができるのは、一生を振り返ってみた時には幸せな人生だったと言われるのでしょうね、ジェットコースターに乗っているようでワタシは真似したくないけれど。
ラストでピーターがカーテンを引くシーンは、何故かモノクロで「FIN」と字幕が出てきそうなイメージが頭の中に広がりました。
コンパクトな時間の中に色々詰め込まれた面白い作品でした。
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