「拷問にも耐え、思想を貫いた女性の生涯」わが青春つきるとも 伊藤千代子の生涯 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
拷問にも耐え、思想を貫いた女性の生涯
幼い頃に観たトラウマ級の映画『小林多喜二』には及ばないけど、思想弾圧の恐ろしさを再確認できた。思えば、特高による拷問の実態を知ったのも小林多喜二の映画だったが、この伊藤千代子の作品はそれをオブラートに包んだような印象だ。もうちょっと痛さが伝わってくる残虐性があってもよかったのかもしれません。3年前に観た『金子文子と朴烈』の方が緊迫感があってよかったなぁ。
全体的には千代子の生涯を追った伝記といったイメージが強く、彼女のことを調査した苦労がよくわかる。ただ、映画としては回想録みたいなものより、彼女の生々しい部分が欲しいと感じた。
新人女優の井上百合子はかなり良かったし、最も感動出来た演技は竹下景子。さすが東京女子大学出身。凜とした態度で千代子像を語るところが一番の見せ場だったかも。
また、日本共産党の除名問題は厳しさを感じた・・・戦前のことなのに。拷問には耐えられないよ。個人的には眼鏡の子が好き。
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