マイ・ブロークン・マリコのレビュー・感想・評価
全197件中、161~180件目を表示
もう一歩踏み込んでほしかった
予告でなんとなく内容を知り、永野芽郁さんと奈緒さんの共演ということで朝ドラ「半分、青い。」を思い出しながら、期待して鑑賞してきました。率直な感想としては、二人の演技は期待どおりのすばらしいものでしたが、内容はもう一歩踏み込んでほしかったかなという印象です。
ストーリーは、子供の頃からの無二の親友・イカガワマリコの自殺を知ったシイノトモヨが、マリコを虐待していた父親から彼女の遺骨を奪い、彼女の弔いと自身の心の穴を埋めるように出た旅すがら、マリコとの思い出を噛み締め、もう一度自分の人生と向き合っていくというもの。
序盤でトモヨの今の境遇、亡くなったマリコの生い立ちと二人の関係が、回想を交えてテンポよく描かれ、作品世界にすんなりと誘われます。予告で観た遺骨強奪からの逃避行、遺骨のマリコと対話しながらの小旅行、ふと蘇るマリコとの思い出の数々から、トモヨの傍にはいつもマリコがいて、それはマリコが遺骨になろうとも変わらず、トモヨの目には今でもしっかりマリコが映っていることがうかがえます。
回想が重ねられる中で、マリコが受けた虐待の酷さ、それがその後の人生に与えた影響の大きさ、トモヨへの異様なまでの依存などが明らかになってきます。一方で、そんなマリコを疎ましくも憎めず、本気で寄り添うトモヨの姿も浮き彫りになっていき、二人がどれほど互いを必要としていたかが痛いほど伝わってきます。でもそれは単なる友情というより、自分の価値や存在意義を確かめるよう関係性にも見え、たまらなく悲しかったです。
そんな大切な存在であるマリコを失った悲しみや喪失感を味わったトモヨが、一人ぼっちになった人生とどう向き合っていくかというところで終幕。余韻をたっぷり残した終わり方です。おそらくマリコの思い出を胸に精いっぱい生きていくのだと思いたいし、できればそこまでを描いてほしかったとも思いますが、こんな終わり方も悪くはないです。
ただ、悲しみに暮れてうちひしがれたトモヨを、窪田正孝くん演じるマキオが絶妙な距離感で支えるのですが、出会いの偶然が過ぎてもはやストーカーか何かかと思えるほどで、ここだけは違和感を覚えました。ひょっとして自身の経験からトモヨを気にして、ずっと跡をつけていたんでしょうか。
主演は永野芽郁さんで、割れたスマホに届く「クソ上司」からの着信をガン無視し、タバコをふかしながら周囲に悪態をつく姿はとても新鮮でした。でも、いつものかわいらしさは滲み出てしまっていたように感じます。一方、共演の奈緒さんは、死んだ魚の目をしたぶっ壊れマリコを見事に演じきっています。「あな番」でもそうでしたが、役が憑依したような彼女の演技は秀逸です。
喪失、消化…。
父親から虐待されて生きてきた幼馴染みで親友のマリコが亡くなり、マリコの魂を掬うべく突っ走るやさぐれシィちゃんの話。
マリコの部屋を訪れると既に片付けは済んでいて、クソ親父から遺骨を奪取する為実家に潜入し…親父!お前に泣く資格はねぇ!継母泣いてくれてありがとう!な序盤。
そしてマリコとの思い出を振り返りながら、いつか約束した海へとなっていくけれど、思い出が掘られれば掘られる程悲しくもあり悔しくもあり憤りも感じている主人公の感情が伝わってきて、同時に壊れていったマリコのそれは最後にして最大の親友への甘えだったのかなとも感じる。
終盤もちょっと斜め上を行くハプニングでのスイッチとか、上手いながらも完全に消化仕切れる訳ではないけれど、余韻を残しつつ温かく前向きで、なかなか良い締めだった。
ただ、個人的には読んでくれた方が…。
小野田寛郎ゼリフ、コミカルな感じもしつつ合ってたね。
ぶっ飛んだ映画は大好き!
ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞。
本作のような「ぶっ飛んだ映画」は大好き!
兎に角、親友に死なれて想像できない行動を続ける永野芽郁はアッパレの凄さだった。
営業OLのシイノ(永野芽郁)はニュースで親友マリコ(奈緒)の死を知る。大切なダチの遺骨が彼女を虐げていた親の元にあるので、ダチの遺骨を奪取して逃げる。そして……といったドラマ。
このあたりは予告編で見ていたが、全編にわたって「えっ!」と思わされる展開が見事!
永野芽郁が「本作でシイノを演じるにあたって…」を語っている映像を見たが、永野芽郁ご自身はもともと非喫煙者だそうで、3~4ヶ月前からスタッフが用意してくれたニコチンとかタール抜きのタバコ(?)で喫煙者の役作りをしたらしいが、その甲斐あって、劇中では確かに喫煙者していた。
また、ロケ地も見どころだと思うし、撮影面でのショットの捉え方なども効果的であったと思う。
いろいろと書きたいことが沢山ある映画だが、公開されたばかりなので、ここでは控えめな記載にとどめておくが、とても楽しい映画であり、観て良かったと思えるタナダユキ監督の佳作。
……と書きながら、「また観たい」と思ってしまう(笑)
<映倫No.123067>
受け止め方次第で世界は変わる
亡くなった親友の遺骨を"強奪"するために窓から飛び降りる衝撃的予告。完成披露試写会で見せた永野芽郁ちゃんの自信も相まって、公開を待ちわびた一作。
何度も手を差し出した親友の予期せぬ死に対する「なぜ」という思い。しかし本作では、その死を「どう」受け止めるかに焦点を当てている。
印象的な場面は、やはりシイノ(芽郁ちゃん)がマリコ(菜緒さん)の遺骨を奪い取るシーン。
最終目的を成し遂げるため、取り繕ってマリコの実家に"侵入"するシイノ。遺骨を前にうなだれる父親に震え上がる。実の娘を虐げ被害者面している彼に対する怒りはもちろん、親友を亡くした悲しみと救えなかった自責、衝動的な行動へ突き動く感情の高ぶりなどを纏わせる、罵倒にも近い捨てゼリフは、まさに心が震える。
沸き上がる感情を詰め込んだ表現力に、涙が零れ落ちたのは久々の感覚だった。そして、あの短時間で威圧感たっぷりの眼光を見せつけた尾美さんも素晴らしかった。
ふたりの絆を深めるラストカットも見所。「なぜ」をあまり知りたくなかった自分は少し安堵。普段のとりとめのない話題だったかもしれないが、それはふたりにしか分からない。シイノ(芽郁ちゃん曰く自分3割)の豊かな表情にも注目だ。
菜緒さんも6月に舞台を観に行った大好きな演者。朗らかで脆さ漂うマリコを好演した。細かい点だが、回想シーンのセリフを映像より先出しする編集も好み。
遺骨を傍らに携えた"二人旅"を終えた現実世界は、何倍も強く健やかだ。亡き親友と共に生きる決意を固める疾走感あるショートトリップを、ぜひ大スクリーンで。
※上映後舞台挨拶つきの観賞。取材なしのリラックスムードでこぼれ話を拝聴できました。
リハに強かった日本製線香花火が、本番では中国製に取って変わられたエピソードが面白かったです。笑
口が悪い、タバコ、お酒、鼻水
永野芽郁が新境地というところで良かった。
清純派とは程遠いい、言葉遣いも悪く、タバコお酒鼻水と、女優としても新しい面が見られます。
ストーリーは意外と単純かもしれない。終わり方も予想の範囲内という感じ。
ただ、永野芽郁の演技なのか、監督の演出なのか、惹き込まれるものがあった。
私も友人を自死で無くしたことがあるので共感です。
映画らしい映画ですね。
ちゃんと疑義のある部分もチェックされていて好印象。対抗以上。
今年290本目(合計565本目/今月(2022年10月度)4本目)。
今日最後に見た映画になります。
この映画も原作って存在するんですね…。私は知りませんでした。ただ、主人公も含め設定などの説明がとても丁寧なので「小説前提、知らない人お断り」になっていない点はとても好印象です。
この映画は解釈がしやすく、かつ、「ひとつの解釈のしかた」しか(おそらく)できないし、そのラストも明示的に描写されるので「解釈のゆらぎ」は発生せず、もっぱら映画単体の描写などの評価の論点「だけ」に絞られるように思えます。
その観点で見ると、多少わかりにくいかな…と思える点はある(時間ずらし表現があっちこっち飛ぶところがある)ものの、結局は過去にしか飛んでいない(過去からさらに過去といったことにはなっていない)ため、その部分も「あることさえ」理解していれば理解はしやすいです。
一方で気になった点として、この映画は結局のところは「児童虐待」「家庭崩壊」といった論点が絡むため、「適正に処理するなら」、行政に相談するなり弁護士会に相談するなりするべきであるものの、そうするとこの映画は1分で終わってしまいます。さすがにそれも支離滅裂であり、その点は仕方がないのかな…というところです。
すると、それも含めて法律的な解釈がどうか、という点が気になるものの、若干説明不足な点はあるもののおおむね正しく、ここでは評価5.0が上限ですが、個人的には6.5くらいいきそうな気がします。
減点対象は特に見当たらないのでフルスコアです。
------------------------------
(▼参考/「火葬は、亡くなってから24時間を経過しないとできない」)
・ これは、墓地埋葬に関する法律による規定です(事件性のあるものが、警察のチェックを受けることなく火葬・土葬されることを防ぐ趣旨のもの)。
(▼参考/自殺を思いとどませるシーン)
・ この行為(やめるように説得したり、実際に実力行使に出る行為)は、民法上の事務管理にあたります。事務管理はその規定上、「本人の意思に反する場合、その事務管理を中止しなければならない」という規定があります。ただしその場合でも、公序良俗違反や自殺を実行する行為を止めるような場合は、そうした「違法や不当、公序良俗、人命に関することを実行する行為」は、それらををとめることのほうがさらに優先されるため(判例)、本人の意思に反してでも無理やりにでも中止させることが可能です。
(▼参考/ものを無理やり持ち去ったりするシーン(2か所。序盤の主人公の行為と、中盤あたり、バイクのひったくり)
・ これらの行為自体は民法上問題になりますが、一方で無理やりにでも奪ったものにも占有権はありますので、それを実力で取り返す行為は占有訴権との関係で問題になります(占有回収の訴え)。
※ 要は、「無理やりにでも奪われた場合は、法律にのっとって裁判所などを経由して合法に取り返すのであり、無理やり私人間で奪い合いをしてはいけない」ということです(社会秩序崩壊防止の観点)。
------------------------------
キャッチ・ミー イフ・ユー・キャン
原作は購入、読了していたので
映画化されると聞いて楽しみにしていました。そして本日観賞。
「単行本一冊を映画にするって時間的に展開が延ばされてしまう?」と懸念していましたが
上映時間はおよそ90分なので無駄な追加要素はほとんどなく、むしろ原作でアッサリ流された部分のシーンを追加しているのでありがたい。
なにより90分は見やすい。
中身も個人的には満足。
上記にも書いたようにムダな引き延ばしがほとんどなく、イイ原作をちゃんとしっかり映画化してくれた、という感じ。
中身が良いから話題になったのに
映画化するとなると
監督や脚本家が張り切ったりお偉いさんが口挟んだりして中身が変えられる→中身が崩れて駄作になる、なんて事も多いので
今作はその観点からもこれまたありがたい。
演技の面でいうと
特にマリコと中学生時代のトモヨ、
この二人の演技が素晴らしく思えた。
窪田さんは野暮ったい格好しててもイイ男がにじみ出てる。
永野さんのガラ悪い演技珍しすぎて面白い。ちょっと似合わない所も含めて。
全体的に満足しましたが
ただ気になった事がなかったワケではない。
主人公の独り言が多い。
いや、正確に言えば多い事が問題じゃない。
独り言が多い人は家だろうが一人だろうが本当によく喋る。自分もその一人。
ただ独り言にしてはハキハキしすぎている。そこだけ舞台のように感じた。
現代のマイクなら小さい音でも拾ってくれるのでもっと独り言らしくボソボソと、なんなら観客が聞き取れるか微妙なレベルでもいいから声量や滑舌など気にせずに喋ってくれれば更に良かったな、と感じた。
まぁそこ差し引いても全然満足しました。
とことん役に合わない永野芽郁
観始めてすぐに「キャスティングが逆だ」と思うの。永野芽郁がマリコ役で、奈緒が友だち役の方が絶対にいいね。
でも『主演・永野芽郁』と『主演・奈緒』のどっちが売れそうっていうと永野芽郁だし、永野芽郁を助演にするなら主演は戸田恵梨香級じゃないとだけど、奈緒はそこまでいってないとかあって、永野芽郁が主演なんだろうね。
なので役が永野芽郁に合ってないの。ヤンキーっぽい役柄なんだけど、何をどうやっても永野芽郁にヤンキーは無理。子役はハマってるだけに、余計に、永野芽郁が役に合ってないのが目立つの。
そんな、生真面目な生徒がちょっとイキってヤンキーの振りしてるような芝居を観てかなきゃだからカッタルイのね。途中で何人か席を立ったけど気持ちは分かる。
でも、永野芽郁推しなら、その合わない役で奮闘する永野芽郁を観なきゃいけない。だから僕は観た。永野芽郁作品をコンプリートするんだという義務感で観ました。
そう思ってラスト近くまで来ると、シーケンスが良くてカタルシスがあるのね。それまでのカッタルさをちょっと忘れて、観終わった感じは悪くないの。これは脚本の向井康介さんが凄いと思う。
確かに壊れているマリコ
唯一の親友=マリコを突然なくしたシイちゃん。
その二人の生い立ちをいろいろ思い出しながらストーリが進む。
単なる仲良しかと思いきや、なんか面倒くさいけど、続く友情。
そして、遺骨を盗み出してまで。。。
タバコを中学から吸っていたり、ヤンキース座りしたり、
口が悪く、荒っぽいなど、今までと違うイメージの役の
シイちゃん=永野芽衣ちゃん。
違和感たっぷり、似合わないけど、さすがの演技ですね。
マリコ=奈緒さんの壊れっぷりもさすがでした。
タイトル通り、どんどん壊れていったのですね。
何気にいい人の、謎の釣り人=窪田さんは、結局何者で、
なんでこうなった?
骨壺がまさかあんな風に使われ、遺骨がーーー
そして、最後のマリコからの手紙に何と書かれていたのか。。。
真相はいかに。
骨壷の使い方
火の玉と化したシイノの疾走感がヤバい。そのシイノをいなしながらクールダウンさせる釣り人マキオ。マキオとシイノのアンバランス感が醸し出すオフビートなリズムに思わず笑ってしまう。
自殺した親友マリコの骨壷を強奪して、マリコと語り合うために旅に出る。このシーンを予告で目にした時、絶対見るべき作品の予感がしたんだけど、正解。
永野芽郁のヤサグレ感といい、男に対する啖呵の切れ味といい、役作りが完璧。気だるそうにタバコを吸う顔とか、クソ上司への態度とか、嘘泣きの様子とか、笑っちゃうくらい自然。
昨日鑑賞した『それがいる森』で、邦画の未来が心配になったが、そんな杞憂を吹き飛ばす仕上がりでございました。
骨壷の使い方もすばらしい。
追記
原作を読んでみた。原作の世界観が損なわれずに映像化されている。タナダユキ監督はいい仕事したね。
ワイルド永野芽郁
この映画は感動とかは求めすぎずに、主人公トモヨ(永野芽郁さん)の超ワイルドなキャラを楽しみながら観るのが正解ですね。ところどころクスッと笑えます。
あと、侍のようなキャラのマキオ(窪田正孝さん)も面白かった。
ロケ地マップが無料配布という嬉しい特典サービスに星0.5個プラスさせていただきました。
ブラック芽郁さん(笑)
悪くはないですが、幼少期のイメージに比べて線が細すぎるかな。窪田正孝さんは、めちゃカッコよかったです。
残念ながらストーリーがモノ足りない。短編に余計な場面を付け足して終わった感じ。
中盤をもう少し膨らまして、窪田さんの優しい言葉で締めてくれれば… あるいは、お弁当をがっついて「生きる」意志を見せたとこで… あっ、原作漫画あるんでそうもいかないか。探して読んでみます!
(2022/10/02追記)
平庫ワカさんのコミック、読みました。画の迫力が凄いです!素晴らしい作品です。が、短編なので、映画1本撮るには、物語が足りないように感じました。
それでも生きていく‼️❓じゃねえ‼️生きさせていただきます‼️❓
私事ですが、鬱で入院してる時、半分青いを観てました、朝ドラを全部観たのはこれだけです、永野芽郁は命の恩人と、過言ではありません。
奈緒も半分青いで永野芽郁の親友でした、偶然ではないのでしょう、役回りはテレコだと感じました、でも、これはこれでハマる、そう感じました。
何故かわからないけど、最初から最後まで慟哭してました、意味なく泣いたのは初めてです。
意味がなさそうな行動の数々ですが、当事者には意味があるんだと思いました、それが苦しくても生きれる、そんなことだと。
なんだか、レビュー書いてると泣けてきます。
友情も掛け値無しだし、親切にしてくれる気持ちも掛け値無しです。
命懸けで生きてる人だけができることであり、気持ちなんだと思います。
なんのために生きているのか、悩んでいる人は、是非。
生きるのが苦しい人も、もちろん是非。
誰かのために、生きよう、そうゆう人がいると良いですね。
全197件中、161~180件目を表示