「ダメだと思ったら持ち直した」きさらぎ駅 kekeさんの映画レビュー(感想・評価)
ダメだと思ったら持ち直した
久しぶりに和製ホラー的タイトルに目を引かれて映画館へ。
学生やカップルが多かったが、冒頭で感じたのは「皆こんなものを見て幸せなのか…?」という驚き。
VFXという言葉が相当しないレベルの、ものすごく雑なCGで顔が爆発したり燃えたりする。
そして脇毛の生命体みたいな薄っぺらいものが地面を伝って追いかけて来て、それに触れたら死ぬという。
本田望結を除くキャストたちの演技は悪くなかった。
サトエリは知らない間に声に深みがかかっていた。
サトエリ:きさらぎ駅の生き残り
本田望結:サトエリを助けて死んだか異世界に残されたまま
恒松祐里:きさらぎ駅に興味津々の主人公
その他:本田望結と同じ境遇のモブ
映像に関しては、
異世界にいる間は常に色調補正がかかっており、FPSゲームのような雰囲気で動きも良い。
暴行など激しく動くシーンも見やすかった。
ストーリーも最後まで見れば悪くない。
きさらぎ駅の話に興味を持った主人公。
行ったことのあるサトエリに体験談を取材する。
行方不明者の母親はずっと探しているらしい。
自らその異世界に入り込み、そこに囚われたままの人たちを助けようとする。
実際に行ってみると電車にいた数人が、聞いていた話と全く同じ言動を始める。
記憶がリセットされてループしていることに気づく。
前半がサトエリ目線、後半が主人公目線となる。
非常にゆっくりした展開の、アドベンチャーゲームのイベントシーンを見せられている感覚。
この滅茶苦茶につまらなかった前半が後半でどう面白くなったかと言うと、コミカル要素を挟んできたのである。
主人公としてはサトエリの回想どおりに話が進むと知っているので、
前半で迷惑だったチンピラを早めに刺し殺したり、罠にハメようとする異世界人を石で気絶させたりするので、他の人たちは人殺し主人公にびびりまくる。
最後はシリアスに戻り、一人しか助からない局面で主人公は自分が助かろうとするが失敗し、本田望結だけが生き残ることに。
実は探偵業を営むサトエリの仕組んだ罠でしたエンド。
細かい部分は分からなかったが、サトエリはきさらぎ駅を利用して行方不明をビジネスにしていたのではないかと。
とにかくCG表現が雑すぎるギャップで椅子が揺れるくらい笑いそうになったが、他の観客が真剣だったので必死に持ちこたえた。いやもしかしたらみんなこらえていたのかもしれない。