「テンプレのロマンス家族モノがガワであり本体」チェルノブイリ1986 くりあさんの映画レビュー(感想・評価)
テンプレのロマンス家族モノがガワであり本体
舞台は1986年。10年ぶりに再開した主人公とヒロイン。
原発の消防隊に勤務する主人公は、彼女とやり直そうとするが、10年前に彼女を捨て行方をくらました過去から、再会を喜び合うも寄りを戻すことは拒否される。彼女には10歳になる自分と同名の息子がいることを知ってより強くやり直しを願い、キエフへ転属し親子三人で住もうと空回りするが……。
4月26日。爆発事故が起きる。
こういう身勝手で自分の欲望願望に沿った行動力だけはある男を、「ワイルドでカッコいい、家族のために戦える男」として描くのが西洋的マッチョイズムのテンプレまんまではあるものの、それは決死隊の「やめられない理由」としては説得力がある。
突入することになってからの各人の決意、葛藤は真に迫り良かった。
良かったのだがな。
チェルノブイリでなくてもいいんだよな。
これは、「マッチョで自由人を気取った男が過去捨てた家族を取り戻せると思いかっこいいところを見せようと奮起する話」が骨であり肉であり皮なんだ。
役人が当時のソ連らしい共産国的な立ち回りをするぐらいで、規模の大きいシカゴファイアというか……。
チェルノブイリらしさ(ってなんだ?)を期待したからダメなのかもしれない。
星3.5。くっつきそうでくっつかない感じがフランス映画っぽいと思ったが、それとマッチョイズムが相乗りするのはロシア式なんだな。
コメントする