「「犬」童監督のロード・ムービー」ハウ バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
「犬」童監督のロード・ムービー
白い大型犬ハウが青森から横浜まで南下するロード・ムービーで、ハウが各地で出会う様々な人々を描いていくオムニバス的な映画である。『グーグーだって猫である』『猫は抱くもの』などの猫映画&ドラマを監督した犬童一心監督だが、犬映画はオムニバス映画『いぬのきもち』(未見)の中の1編以来とのこと。
主人公はあくまで人間たちで、ハウが助演に徹しているのが良い。キャスティングも絶妙で、主演の田中圭はこれ以上ないハマり役だし、同僚役の池田エライザも同様。ハウが各地で出会う人々や主人公の周囲の人々を演じる野間口徹、渡辺真起子、モトーラ世理奈、深川麻衣、長澤樹、田中要次、利重剛、伊勢志摩、市川実和子、田畑智子、石橋蓮司、宮本信子などもいずれも演技派ぞろいでなんとも絶妙な配役だ。ハウ役の犬がこれまた名演で、アカデミー犬優賞をあげたいくらいの演技力だった。動物には勝てないな。
猫派の僕は、犬映画かあ、動物可愛い映画だったら興味ないけどどうなんだろ?と思いつつも、犬童監督ならまぁだいじょうぶだろうと思って観に行ったら、はたして予想通り犬童監督は一つ一つの物語を丹念に丁寧に繊細に描き出していて、つらい現実と向き合う人々への優しい視線にあふれた、とてもいい映画でした。面白かった。それにしてもハウ役の犬は可愛い犬だったな。
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