「聖犬物語」ハウ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
聖犬物語
クリックして本文を読む
結婚直前の失恋で悲嘆にくれる青年を癒すかのように引き合わされた保護犬のハウ、ハウの健気な優しさに立ち直りかけた青年だったが不幸は突然訪れた。行方不明になったハウ、25分あたりから波乱万丈のハウの冒険の旅が始まり、そうか苦労しながら青年の元へ戻る話かと察しがついた。ところが話はそう単純ではない、ハウと名付けたのは心無い飼い主に声帯を切られワンとは鳴けずハウとしか聞こえないからだが、その非道の飼い主に再会と言う皮肉な巡り合わせまで織り込んで波乱万丈。
道中の修道院でフランチェスカと言う名を付けられるがまさに言い得て妙、ハウの行いを観ているとまるで聖人、それに引き換え人間たちの卑しさ、ひ弱さは何だろうとさえ思えてくる。聖フランチェスカの言葉に
・憎しみのあるところには 愛を
・諍いのあるところには 許しを
・分裂のあるところには 一致を
・疑いのあるところに 信頼を
・誤りのあるところに 真理を
・絶望のあるところに 希望を
とありますが、まさにハウの生き様、これぞ聖犬物語でした。
ハウを演じたのはベック、ゴールデンドゥードル(ゴールデンレトリーバーとプードルのMIX)の1才4ヶ月の子犬、そもそも大型種だから子犬と言っても体高85cm、体重35キロと貫録十分。
青森から横浜まで750kmの長旅だから元気な大型犬種は必然だったのでしょう。
それにしても名優も動物と子供には勝てないと言われますがそのとおり、人間の方が霞がちに思えてしまう映画でした。
コメントする