劇場公開日 2022年4月22日

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「子供たちと大人たちへのささやかな応援歌」カモン カモン ROKUxさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0子供たちと大人たちへのささやかな応援歌

2022年4月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

なんとも小難しい作品だった(が、嫌いではない)。

全米の子どもたちにインタビューして、それをラジオ番組として放送するという、主人公ジョニーの仕事には憧れる。伊集院光か誰か日本でもやればいいのに。今の世の中、子供の声をまともに聴こうとする大人がどれだけいるだろうか。

そんなインタビューのシーンを挟みながら、ジョニーと甥っ子ジェシーのぎくしゃくした暮らしが描かれる。ちょっと癖のある性格のジェシーの言動に戸惑いつつも、寄り添おうとするジョニー。子育てをした経験のある人なら頷ける場面も多かったように思う。

小難しさを助長しているのは、時々挟まれる書籍の朗読。画面の文字情報量が一気に増えてついていけない。作品とは元来、知識の切り貼りではなく、そういった知識が一旦作者の意識の底に沈殿し、それが時間をかけて発酵して出来上がるものではないかと思う。
この作品、意図は明確に解るのだけれど、それはすなわち、まだ発酵が足りないことを意味しているような気がする。

とはいえ、未来を作っていくのは子供たちであることに間違いはない。そんな子供たちへの(そして現実と格闘している大人たちへの)ささやかな応援歌ではあると思う。
…なんて、うまくまとめようとすると、ジェシーに「poor poor」って言われそうだね(笑)。

あと、ホアキン・フェニックスの演技が、なんとなくロバート・デニーロに似てきたように感じる。

ROKUx