「「子供との接し方なんて誰にも分からない」」カモン カモン トニーさんの映画レビュー(感想・評価)
「子供との接し方なんて誰にも分からない」
途中、「クソ世界へようこそ」というセリフと共に、表題のような母親のセリフがあった。途轍もないパンチラインでした。
自分は独身で子供も居ないので、このセリフは子供が居る親ならより響いた筈。
奇をてらわずに自身をさらけ出しながらの子育てロードムービー。モノクロの映像でスクリーンいっぱいに子供に苦悩と困惑を覚えながらも瑞々しく自分自身も成長していく様を見せつけたホアキン・フェニックスの演技が白眉でした。
また、随所に盛り込まれる地方ごとの様々な人へのインタビュー、これは日本人だとどうしても人種や地域ごとの特性が分かりづらくて完全には響かなかったが、映画全体の会話劇を構成する上でのグルーヴ感の醸成に役立ってたと思う。特に、バプテスト派の彼の死後の世界描写「草原に風がなびき大きな木が一本ある」ってのが良かった。
同じくモノクロ映像のベルファストと共に今年ベスト10には入りそうな傑作でした。
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