「2023/01/18」ケイコ 目を澄ませて 伊達巻さんの映画レビュー(感想・評価)
2023/01/18
かつてプロボクサーだったわたしは「強くなりたい」とか「チャンピオンになりたい」みたいな思いはそんなになくて、単純にボクシングが楽しくて続けていたら、ボクシングがある日常が普通になっていた。ロードワークして仕事してボクシングして帰る、それが当たり前の日常だった。
世の中にあるボクシング映画は人生やら恋人やら、でっかーい何かを背負ってリングに立っているドラマチックなものばかりで、自分みたいなのからすると別世界のような気分になるものばかりだった。
この映画は、当時の自分のように、日常の中にボクシングがある、ただそれだけ、そんな1人の女の子の日常を切り取っているだけなのがとても心地よかったし、こういう映画があることが嬉しかった。
ボクシングだけではなくて、耳が聞こえないということも、彼女にとっては当たり前のこと。そういう当たり前のことを過度にドラマチックにすることなく描いているのがとても良かった。
バンテージ、わたしはネットに入れて洗濯機で洗ってたけど、ピンチハンガーに同じように干してました。
あとあの美しいコンビネーション練習を見ていたら、久しぶりにボクシングをやりたくなりました。
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