劇場公開日 2022年8月26日

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「オレンジ色の語り直し」彼女のいない部屋 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0オレンジ色の語り直し

2022年9月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2021年。マチュー・アマルリック監督。夫婦と二人の子供の幸せな家庭から、ある朝妻が家出する。その行方と過去の出来事、さらに可能性としての出来事が複雑に入り混じって語られる。人が本当に大切な人を失った時、過去や未来を語り直すことをやめられないというテーマ。
冒頭で提示された謎の真実を探り当てたいという観客の心をつかんで離さない。過去も現在も妄想もすべてを同じレベルで同時に提示できる映画の力を存分に使っている。個人的には、単に妄想ではなく現実世界に投影された妄想を描くところが風変りなところ。
哀しい出来事を描いているのだが、画面も音楽もこの上なく美しい。オレンジ色(ブラウン系含む)が突出している。写真で行う神経衰弱的な遊びはこの映画のメタ的解釈になっている。記憶を使った語り直し。

文字読み