「理想が描かれるのが映画だからこれでいいのだ。」劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 ゆうきさんの映画レビュー(感想・評価)
理想が描かれるのが映画だからこれでいいのだ。
力が入ったり、不安になったり。心が揺れた映画で面白かったです。どれだけ窮地に陥っても絶対にうまく行く展開になるってわかっているのに目を凝らして早く早く!って思っちゃうのは映画の展開ならではですよね。
そして鈴木亮平さんをはじめ安心して見られる俳優人たちの名演技。緊迫感と急速なリズムでまくしたてる医療用語が多い中で、どれほど集中して演技をしているんだろう、大変だろうなーと感心しています。
私も医療者の端くれなので、やっぱりあり得ない(笑)でも無理のある設定であっても、こうであったらいいな、と思う世界を創り上げるのが映画なんだから、これでいいんです。ただ実際の現場がすべてこうだとは思わない方がいいけどね。もっと残酷だしチームが一丸になるというのには数年では構築できないし、人の入れ替わりも激しい、泥臭くて人間臭い小競り合いだって必ずある。責め合い、責任のなすりつけ合いだってあるし、あんなわかりやすい悪役が都合よく存在していない世界でストレスが募る。理想というものが描かれるのは「映画」なんだから、これでいいのだ。
でも鈴木亮平という役者さんが演じてくれると素晴らしい世界になる。それだけで満足できる作品。しかしこのシリーズに出てくる賀来賢人は本当にカッコいい。
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