リコリス・ピザのレビュー・感想・評価
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リコリス・ピザはレコード屋の名前らしいが、そのレコード屋は一度も出てこない。
アラナの家族は、全部本物の家族だ。3人姉妹で「ハイム」というバンドを結成していて、メンバーの2人のお姉さんに加え、お父さんとお母さんも、この映画に出演している。
1970年代のカリフォルニアのサンフェルナンド・バレーが舞台になっているが、アラナもサンフェルナンド・バレー出身、監督のポール・トーマス・アンダーソンは彼女のお母さんと生徒と美術の先生という関係だったそうだ。
その縁で、アンダーソン監督が「ハイム」のミュージックビデオを手掛け、今回のアラナの主演につながっている。
ちなみにサンフェルナンド・バレーはかつてポルノ映画を撮影していた場所らしい。
パンフレットには様々なエピソードが載っているらしいが読んでいない。監督の地元で知り合いをキャストにして撮影した青春映画と言えるかもしれないが、監督は1970年生まれのため、自分の体験ではないことになる。
アメリカの少年の懐かしい青春を切り取ったような作品。
映画館で、ポップコーンでも食べながら、コーラを飲みながら、街の風景を眺めるように、観てみるとよろしいんじゃないでしょうか。
予想に反して楽しめました!
かなり覚悟して臨みましたよ、何と言ってもポール・トーマス・アンダーソン監督ですから。
訳のわからない群像劇なのか?
3時間超えの長尺なのか??
空からカエルか何かが降ってくるんじゃないの???
安心してください、全部“いいえ”です。
正直に言います、これまでのPTアンダーソン作品はよくわかりませんでした。
ところが今作は…まぁ何と言うことでしょう、とっても見やすいじゃあーりませんか!!
これは私がオトナになったからなのか?
(ずっと前からかなりのオトナです)
アンダーソンが歳をとって丸くなったのか??
(私よりお若いです)
70年代のLAが舞台なのでどこか懐かしい香りがして、お話はボーイミーツガールな甘酸っぱい青春の味。
だからこれまでのアンダーソン監督作を観て頭の中がはてなマークだらけになった人でもイケる確率は高いです!
(絶対イケる、とは言いませんが)
あの人もこの人も実在の人物がモデルなんですね!
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」みたいな感じですね。そうあの空気感です。
バーバラ・ストライサンドさまが怒ってないか心配になっちゃいましたが。
ブラッドリー・クーパーはもうヤバすぎて何でしょう、そこらの新人俳優じゃあ太刀打ちできませんねぇ(笑)。
クーパー・ホフマンはフィリップ・シーモア・ホフマンにそっくりでそれだけでもうね。良かった良かった。
エンドクレジットをぼーっと眺めてたら、なんちゃらDiCaprioってお名前が見えて(レオ以外にも映画人の中にディカプリオさんて人がいるのかぁ)なんて思ってたら、なんとレオの実の父親(=ジョージ・ディカプリオ)らしいですね。あのウォーターベッドを売ってた人。
ちなみにディカプリオ親子はホフマン親子ほど似ていません。
ファッションも音楽もノスタルジア。
恋に落ちれば歳の差なんて。
だけど恋も仕事もうまくいきそうでうまくいかない。
このアンダーソン節が理解不能だった方、映画百本ノックを受けてからまた観てくださいませ。
きっとジワりますから(?)
思ってたのと違ったけど、、、
70年代にティーンズだった自分、もうちょっと感情移入しやすいのかと期待して見たけど、アメリカ人の15歳ってこんなにませてるの??っといきなりの違和感。おっさんみたいな物腰のゲイリー、口も達者でおもろいすぎ。一方アラナは25歳の末娘なのに姉妹も全員未婚で核家族?って、ユダヤ人って親が厳しめでおしなべて結婚難しかったの??、、、って、まだまだアメリカのことはわからないなあと思った。
15の男の子と「付き合う」ことが大人の女性として犯罪だ、というアラナの厳格な考えには100%賛同するけど、25歳の女の子を酒場に誘う50過ぎのおっさんもやっぱり罪だなあ、と思った。たとえショーン・ペンでもね。20代の若い女性は粋がって対等な男女の関係な気でいても、危険です。
最近、例の銃撃事件にインスパイアされて再視聴した「タクシードライバー」を思わせる選挙事務所のシーン、「ミルク」を思い出させる市長選挙、他にもたくさんの過去のフィルムへのオマージュがあるんだと思う。アラナはバーバラ・ストライサンドを彷彿とさせる顔立ちだし。音楽も知っている人はもっと楽しめたんだろうなあ。
とにかく若者は事あるごとに走る走る。走れるのが若者なのだなあ。羨ましい。走るのですシーンが印象的でした。
私小説的な映画流行ってますね
なにをどう
ふたりの恋模様をゆるくゆるく観察するのが楽しい
多幸感と切なさと
過去の映画へのオマージュがちりばめられていて、映画の詳しい人は納得感の強い映画らしいのだが、私にはさっぱり分からず。それでも1970年初頭のLA(サンフェルナンド・バレー)の雰囲気に浸れた(行ったことはないけれど)。燦々と降り注ぐ太陽の下で、15歳のゲイリーと25歳のアラナが出会って、惹かれ合って、お互いを求めて文字通り疾走する。とにかく二人は走る。そのシーンを観ているだけで幸せな気分になる。映画っていいな、と思う。
しかし、幸福感だけではない。LAでの生活は楽しそうだけれど、当時はベトナム戦争の時代で、人々はやけっぱちになっているようにも見える。オイルショックもやって来る。何より、アラナとゲイリーの、お互いに好き合っているけれど、生き方や精神性においては決して交わることのないのは切ない。年齢差によるものだけではない。アラナは、女性でユダヤ教徒で色々がんじがらめな中にあって、何者かになろうともがいている。ゲイリーが時流に乗りつつチャレンジするのを見守って、楽しんでもいるけれど、次第に一緒にいることに疲れてしまう。
ハイライトは、アラナが、ガス欠となった大型トラックを、エンジンブレーキだけで曲がりくねった坂道を下るくシーン。その肝っ玉! 対するゲイリーはびびって何もできないのに、難局を逃れた途端、脳天気に下ネタをかましている。アラナは、朝焼けの中、疲れた顔でその様子を見やる。そして、何かを悟り、あきらめたことが伝わってくる。
ラストシーンはハッピーで、二人が疾走するのにわくわくするけれど、それまでのシーンを観ていれば、多幸感はそんなには続かないことも分かるので切ない。
「リコリス・ピザ」はアナログ・レコード(LP)のことで、サンフェルナンド・バレーには同名のレコード屋さんがあったとのこと。映画の雰囲気を思い出しながら、ハイムの音楽を聴く。ハイムはサンフェルナンド・バレーの出身だったのだ。親密な心持ちで曲が聴くことができて、はじめて良さが分かった。
王道の青春映画
『マグノリア』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などで知られる、ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作。
ぼくはこの監督の作品が苦手で、途中で寝てしまうか、最後まで観ても理解できないものが多かった。今回の『リコリス・ピザ』は予告を観る限り大丈夫そうだと判断したが、それは間違いではなかった。
15歳の高校生が10歳年上の女性に一目惚れし、それをなんのためらいもなく告ることから始まるストーリー。様々な紆余曲折を経て、2人はどこに辿り着くのか……。70年代を舞台にした、明るめの青春ラブストーリーで、とても楽しかった。
主役を演じたのは故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子であるクーパー・ホフマン。今後の活躍が期待される。ショーン・ペンやブラッドリー・クーパーも登場し、実に楽しそうにとんでもない役を演じている。
15歳の少年と25の女性の淡い恋物語 なんだけど まず少年の商才が...
面白かった
キャストは良いかも
ガキじゃねぇか
ウォーターベッド
パッチワーク的に70’Sアメリカを振り返るにはいいかも
作品の中でいったい何年経過したのかが良くわからなくて、結果クーパー・ホフマンは役柄の中で何歳になったのでしょう?って位ツギハギに出来事が羅列されるのを見せられる感じです。
ニクソンショックあたりの年代なので70年代初頭でしょうか、この先アメリカが自信を失い車が小型化されてどんどんカッコ悪くなっていく頃、ファッション・文化・ジェンダーなど全てが迷走していることを主人公二人の行動やショーン・ペン、ブラッドリー・クーパーのキレっぷりからうかがい知ることができ、観ながら「ププッ」と吹くシーンが多く、個人的には歴史の振り返りのようで面白かった。
クーパー・ホフマンもお父さんの面影もありつつ、少年の移ろう表情も表現していて今後が楽しみだったのですが、主人公二人は好き好き感がないのに、何故ああも相手の行動にジェラシーを芽生えさせるのが謎でした。
ストーリー的にはなんだかなぁ?でしたがファッションや車が沢山見られてそこが救いの作品でした。
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