「"男ってみんなバカで嫌になっちゃう"」リコリス・ピザ せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
"男ってみんなバカで嫌になっちゃう"
子役として活躍、他にもビジネスをやったり15歳にして絶好調のゲイリーと未だパッとしない人生に不満しかない25歳のアラナが出会い、微妙な距離を保ちながら共にすごしていく話。
ゲイリーは幼くして金稼いでるし周りにチヤホヤされてるから、15歳にしてもうトランプのような風情漂わされた子供おじさん。いくら態度がデカくても子供だから、行動が幼稚で馬鹿。子供だからやっぱダメだと思いきや、出てくる中年男やジジイ、全員バカ全員しょうもない(笑)
でもそうやって男を値踏みして比較してるアラナだって子供で馬鹿。自分はあいつと違ってバカじゃないと思ってる時点でもう子供。自分のことは棚に上げて値踏みする世の女性達よ、ブスブス刺さるよ(笑)
だからこそ、最後のお互いがお互いに会うために走っていくベタベタなシーン、「やっぱりあなたしかいない!」じゃなくて「今のダサい自分を受け入れよう」って感じがした。いつもならシラケるけど、すごく清々しく見れた。だって今はゲイリーが1番ハマってもいつかもうちょっと成長したら、選挙ボランティアの同僚の方にハマる日が来るかも、、笑
アメリカの70年代の実際の要素が練り込まれてるらしいけど、私はそれより警察から出た2人が走り抜けるシーン、燃料切れになったトラックを傾斜で転がる力だけで運転するアラナ、やたらと失礼なことをタバコを吹かせながら言うけど表情がなんともいえない良さを醸し出す芸能事務所のばあちゃん、、などなど、良いシーンの宝庫だったな。この馬鹿どもをずっと見ていたいと思った。
あとは、海外映画史上1番(言いすぎかも)日本人女性をちゃんと使ってくれてて嬉しかった。女の人に限らず基本日本人の使い方って雑で、英語理解できなくて頭ペコペコ顔ニコニコみたいな。でも今作は、自分の主張を堂々とした態度で英語も理解した上で日本語で話してて(片言じゃないのも大事)、嬉しかった。しかも美人ではなく、山村紅葉をなめらかにした感じのママでそこ