「大ファンの監督が伝記ドキュメンタリーを作る利点」スパークス・ブラザーズ 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
大ファンの監督が伝記ドキュメンタリーを作る利点
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なるほど、面白い人たちがいたもんだと、不勉強な身としてはお勉強になりすぎないように楽しく教えてもらってありがとうございますという気持ちが一番大きい。ただ、じゃあスパークスの音楽に夢中になるかというと、そこは個人の好みもあってそうでもなかったりするのだが、全アルバムを端折ることなく伝えようというエドガー・ライトのコンセプトに飽きることなく付き合うことができた。いや、むしろ前期、中期、後期くらいに3つに分けて、ピーター・ジャクソンの『GET BACK』並に6時間あっても良かったかも知れない。しかしドキュメンタリー映画になる際に、監督が大ファンっていうのはアーティストにとって幸せなことだよなあ。 あの手この手でいろいろ退屈させないような小細工をしていて、それがうるさく感じられることもありそうなのに、スパークスへの愛情を疑ってしまう瞬間はどこにもない。まあそれもエドガー・ライトに気持ちよく転がされてるのかも知れませんが、観ていて気持ちのいい伝記ドキュメンタリーでした。
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