「とても愛に溢れた作品」アンネ・フランクと旅する日記 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
とても愛に溢れた作品
映画.comオンライン試写会鑑賞
空想の友人を介して自身を見つけるロードムービー。
アンネの日記をちゃんと読んだことがない私。
作画のタッチがとても良く逆に新鮮、それと動きも滑らかで良いです。
特に表情。キュートな笑顔が写真で見たことのあるアンネの雰囲気とぴったりでした。
友人のキティーも写し鏡のようでいて、少しだけ理想というか夢が具現化しているように感じました。
また背景等の美術が実に美しいです。
それと緩急の効いた音楽がとても素敵で、作品をより残酷にそして幻想的に彩ります。楽曲の件曲も良いですね。
作品はアンネの日記をそのまま映像化するではなく、あったかも知れない「if」をアンネの想像力と織り交ぜて描かれています。
また、鑑賞したのがロシアがウクライナの首都キエフに侵攻した日という、何とも皮肉なことになってしまいましたが、だからこそ深く響く言葉が作中にありました。
たった一人の命を救うために全力を尽くすべき
たった一つの命でも
子供の命は守られるべきだ
残酷でありながら希望に満ちた、とても愛に溢れた作品。
本当に素晴らしかったです。
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