僕を育ててくれたテンダー・バーのレビュー・感想・評価
全2件を表示
ヨイトマケの唄
クリックして本文を読む
ピューリッツァー賞をとったジャーナリスト兼小説家のJRモーリンガーの回想録を基にした青春映画。
下層階級のシングルマザーの子が勉学に励み母の念願だった名門大学を卒業、立派な社会人になりました・・・、まるで「ヨイトマケの唄」のようですね。
母親も頑張ったのですが人生の指針を与え励まし続けてくれた最大の師は地元で小さなバーを営むチャーリー伯父さん(ベン・アフレック)。
なんと子供の環境としては最悪なのですが、幼いころから伯父さんのバーに入りびたり、酔客たちからも可愛がられ生きた社会勉強を積んできたことが文筆業の素地を育てたとも言えますね。
父親が残念なのは論外として接する大人たちは気の善い人ばかり、おじさんは大学は出ていないけれど無類の読書家で教養深いし男気に溢れている。
反面、JRを振り回すシドニーは男顔負けのしたたかさ、身勝手な男の犠牲になった母親やDVを受ける父の再婚相手とは対極的。人はそれぞれ、身分や固定概念でレッテルを貼ってはいけないというのが映画の裏テーマなのでしょう。
個人的には大学の寮で同部屋の学友たちの人生談義が印象的、大学に入れたのはまぐれ、自分には才能が無いと落ち込むJRに「俺たちは皆まぐれでここにいる、生きてるやつは皆ラッキーな者の子孫、たまたま足が速かったか賢かったか凄い免疫を持っていたからだろう、まぐれのおかげさ・・」と言う、JRも呆気にとられながらも吹っ切れた様子、良い友人にも恵まれていましたね。
全2件を表示