「【犬の目線で、トルコの民の犬に対する寛容さと、世界の諸問題を映し出した構成佳きドキュメンタリー映画。】」ストレイ 犬が見た世界 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【犬の目線で、トルコの民の犬に対する寛容さと、世界の諸問題を映し出した構成佳きドキュメンタリー映画。】
ー 今作品では、随所でトルコ出身の古代ギリシアの犬儒派であった、ディオゲネスの言葉がテロップで流れる。
この、究極のミニマリストであり、犬の様に放浪の人生を送った哲学者の言葉と、映し出される現代トルコの風景の絶妙なシンクロ具合が佳き映画である。-
◆感想
・冒頭に語られるが、20世紀初めに野良犬を大虐殺した事を反省した、トルコ政府は自らの国を殺処分0にするための、政策を取って来たという。
成程、イスタンブールの街中で多数の野良犬が人間と共存している。
・面白いのは、野良犬たちにキチンとした、名前が付いていることである。
ゼイティン、ナザール、子犬のカルタル、ジル・・。
・この映画では犬目線で、現代トルコで起こっている諸問題も描かれている。
1.シリアのアレッポから逃げて来た難民達
彼らを追い払う、トルコ市警の人々の姿もキチンと描かれている。
2.女性達の人権デモ
3.チェチェンから逃げてきて、別の仕事に就いている人々
4.旦那の愚痴を言う奥さん達・・(諸問題じゃないな・・。)
<私の住む街で、野良犬を見かけなくなって、久しい。それはペットを勝手に捨てる人たちが居なくなったのかもしれないし、様々な映画で描かれているように、行政が通報により野良犬を一定期間留置し、期限が来た犬を殺処分しているからかもしれない。
出来れば、ペットを飼っている人たちの意識が向上した結果だと思いたいが・・。
今作は、構成を含めて面白く且つイロイロと考えさせられながら鑑賞した作品である。>
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