「GIANTS PRIDE 2022」女子高生に殺されたい 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
GIANTS PRIDE 2022
2022年映画館鑑賞16作品目
5月1日(日)チネラビィータ
ファーストデイ1200円
原作未読
原作は『いちばんきれいな水』『帝一の國』の古屋兎丸
彼のイラストは好きだ
園子温の『自殺サークル』を漫画化した作品は映画より遥かに面白かった
監督は『アルプススタンドのはしの方』の城定秀夫
脚本は『猫侍』の城定秀夫
女子高校生に殺されたい高校教師の話
彼はイケメンであり性格も良く優しく生徒受けも良い
にも関わらず裏の顔は異常なまでに凶暴な性格という二面性
その点ではTBSのテレビドラマ『高校教師』で京本政樹が演じた藤村和樹や『悪の経典』で伊藤英明が演じた蓮美聖司を彷彿させる
藤村先生も蓮美先生も英語教師
女子生徒を孕ませたい藤村先生
女子生徒どころかクラス全員を殺したい蓮美先生
それを思うと女子生徒に殺されたい高校教師はまともに近い錯覚に陥る
学園もののタイトルとして『女子高生に殺されたい』はインパクトがあるが『先生を流産させる会』に比べちゃうとかなり弱く霞んでしまう
元医学生で二鷹高校に赴任してきた日本史担当の教師東山春人に田中圭
解離性同一障害でカオリとキャサリンという別人格を持つ佐々木真帆に南沙良
アスペで地震予知ができる真帆の親友小杉あおいに河合優実
いかにも男ウケしそうなとてもかわいい女子高生君島京子に莉子
柔道部に所属し公園での夜間練習にも余念がない沢木愛佳に茅島みずき
真帆に片想いしている男子高校生川原雪生に細田佳央太
東山の同僚教師生島にキンタカオ
東山の元恋人でスクールカウンセラー深川五月に大島優子
女子高生に殺されたい
は?
あまりにも突飛な設定である
共感原理主義者には鑑賞は苦痛の極みだろう
ただ殺されるのでなく絞殺でなければいけない
幼少の頃に親から臍の緒が首に絡まって生まれてきたという話を聞きそういう願望が生まれた
首吊り自殺でもいい気がするが女子高生しかも17歳に限定している
8歳の頃に真帆は自宅に上がり込みレイプしようとしたペドの成人男性を火事場の馬鹿力が働いたのかコードで締め殺している
東山は研修医のひとりとして事件後入院中の彼女を診ていた
彼は彼女のことをキャサリンと呼び彼女に殺されたいと強く願う
真帆にはカオリという真帆を守る役目の人格がありさらに殺すことを厭わないキャサリンという人格も秘めている
キャサリンを試すために犬を真帆に襲撃されるが犬は哀れにも返り討ちにあい殺される
東山の教壇の上に犬の死体は犬好きとしてはショッキングな映像だった
監督は猫派なのかもしれない
だからこういうことができるんだろう
僕は猫も犬も好きなので猫派か犬派で分ける議論が嫌いだ
エンドロールで動物虐待してないと言い訳しても表現そのものに反吐が出る
映画にもなっている『エミリーの恋人』という戯曲はおそらくこの作品の中での架空かもしれない
もしくは別タイトルで映画になっているのか詳しいことはよくわからない
春山はキャサリンというキャラクターが登場する『エミリーの恋人』をクラスの出し物として学園祭での劇をやらせる運びとなる
生徒が台詞でキャサリンと叫ぶと舞台上で春山と作業している真帆は覚醒するという狙い
いろいろと疑問が残るしっくりといかない作品である
原作もそうなのかもしれないが地震予知の設定はいらないと思う
田中圭と大島優子の絡みのシーンがある
脱アイドルだがヌードはない
人妻だしそれは仕方がない
そのかわり田中圭が入浴シーンで全裸を披露
男の自分でも男の裸はドキドキしてしまうので銭湯や温泉は無理
おじさんからすれば大島優子はまだ若いが女子生徒役の若い子たちからすればおばさんかもしれない
とはいえ熟女と呼ぶにはかなり抵抗がある
歳下だからだろう
ダウンタウンにしたって歳下の沢口靖子は熟女ではないらしい
そういうものだ