生きる LIVINGのレビュー・感想・評価
全190件中、161~180件目を表示
作品としての個性は感じないけど良作だとは思います
日本が誇る巨匠 黒澤明監督作品のリメイク
オリジナルと比べ、時間が短め、映像がカラー、舞台がイギリスなので格調高いファッションセンスを感じる
モノクロでじめじめした昔の日本が舞台のオリジナル作品よりは一般的にはとっつき易いのではないでしょうか
主人公の役場の課長ウィリアムズを演じるのはイギリスの名優ビル・ナイさん、本作で惜しくも受賞は逃しましたが、2023年オスカーの Best Actor (主演男優賞)にノミネートされています
仕事一本木の堅物な役人が余命宣告を受け、自身とこれまでの人生を見つめ直し、最後に人のために善行を尽くす、というとても難しい役を静かに力強く演じます
オリジナルを何度か観ていて、それと大筋同じですが、本作も含め やはり何度観てもじんわり心に染み渡る作品でした
人生の終焉
1950年代のロンドンの雰囲気
紳士とは何たるか
が垣間見えて印象的でした
そしてストーリーですが
終活について
考えさせられました
寿命が分かってるだけでも
良いものなのか?
突然亡くなる方が
良いものなのか?
答えはその時になってみないと分かりませんが
とにかく、悔いのない人生を送りたいと思います
懐古趣味だけの映画にあらず
映画の冒頭でまず驚きましたのが、この映画は近年、私達が映画館で見慣れた横長の画面ではなく、スタンダードサイズと呼ばれる映画黎明期で主流であった横縦比4:3であったことです。この画面は懐かしきブラウン管テレビの画面サイズでもありましたので、とりあえずこの時点で個人的には40年弱タイムスリップし懐古趣味的な優しい気持ちになりました。
黒澤明監督作品、傑作とも言われ海外でも高い評価の「生きる」が原案となってるそうですが、残念ながらまだそちらは鑑賞しておりません。
ほぼ同年代(戦後直後)のイギリス、ロンドンのお役所が舞台ということですが、正確な時代考証もさることながら、まるでその当時実際カメラを回して大量に撮りだめだフィルムを再編集し、現代の技術を駆使して画像修復もしました・・・のと見間違う様な、レトロチックなその空気感さえ再現できているのは驚嘆に値します。
リメイクじゃなく、50年くらい前の名作映画のリマスター版リバイバルと勘違いしたくらいです。
また単に古き良き時代を懐かしむ映画じゃなく、官僚主義、お役所主義、格差社会における社会的弱者の存在、父と子の確執などなど・・・現代社会にも通じる重いテーマを深く掘り下げつつ「いかによく生きるか」という人生の普遍的テーマに帰着させ、映画というエンターテイメントに昇華させているのは見事でした。
日々の仕事に忙殺され、いわゆる会社人間になり家庭を顧みなくなる・・・とはいえ仕事では保身が第一で弱者に目を向ける余裕さえなく現状維持で精一杯・・・私も会社で家庭でリビングデッド?って状況なので彼の心情とのシンクロは意外にも容易でした。
共感しかないです。歌も大好きで歌います。彼の様に最期に一花咲かせて散りたい・・・いや、まだ散れないか(笑)。
私たちの人生は一人で絶えず闘志を燃やし続けるには長すぎる
観ることができて良かった、出会えて良かった。そんな映画だった。
黒澤明監督の原作を単純にリメイクしたものではなく、カズオ・イシグロが今を生きる人の心にも響く物語として、
ビル・ナイに当て書きして作ったものだからこそ、泣くほどに感動できた。
この映画の魅力はビル・ナイ演じるウィリアムズが私たちの象徴的な人物像を持っていることだと思う。
誰しも大志を抱いたり、闘志を燃やしたり、何かに向かって勤しんでいた時期があると思う。
でも、炎を燃やし続けるには、それが比ゆ的な炎でも、当然、燃料が必要なのだ。
私たちの人生は燃料を絶えず供給するには長すぎる。
いつしか燃料を与えることができなくなり、昔は輝いていた炎はくすぶってしまう。
そんな人間ごまんといる。
誰もがウィリアムズになる可能性を常に秘めながら生きているのだ。
そして、自分で燃料を供給できなくなり、心がくすぶってしまったら、その心にもう一度炎を灯すことができるのは、他人の輝きなのだ。
しかし、他人の素晴らしい言動に感化され、再び炎が燃え上がることはあっても、
はたしてどれだけの人がその炎を燃やし続けることができるのだろうか。
本作はそんな問題提起すらしているように感じられた。
私も誰かの心に火を灯す存在になりたい、自分の中にある炎をくすぶらせずに輝かして生きていきたい。
人生の教訓を与えてくれるような映画だった。
また、恥ずかしながら、黒澤明の原作を未鑑賞である。
70年の時を経て、この作品にインスパイアされてできたのが本作なのだから、
次は原作を鑑賞してみたい。
基本、日本版と同じ【原作 黒澤明監督作品】。爺さん婆さんに囲まれて感無量❓
俺、オリジナルの黒澤明版 ある意味トラウマなのだ
文章読解力なんて先生が教えるのはせいぜい中学生まで
高校以上は、自分で小説評論レベルでもわかる。
という状況で【現代国語の授業】受験にも不要だし、自習でZ会の添削や有名な参考書見てけば良い
という状況で 仕方なく 定期テストもあるので 我慢して現国受けてた
【結構、進学校あるあるです】
その現国の先公、ならぬ先生様が
中勘助くらいのマイナー小説なら 教養が・・・と踏みとどまるのだが
やたらと 黒澤明【生きる】力説して説明詳しいのだ❗️
当時はレンタルビデオなかったから【黒澤明 生きる 名画座でやってたら是非観ろ❗️】
というメッセージだったろうが、2年間で 「あらすじ」全部頭に入ってしまったよ。高校生の青年のわしに!
コレほど授業で薦められると【わかったヨ❗️つまんないそうだから意地でも見ない❗️】
という ほぼ青年の主張レベルの 信念がワシの中に芽生えた。【青年の主張成人式の日NHK 今どこ行った❓】
というレベルで【天国と地獄】黒澤明【七人の侍】とかは観たが、「生きる」触れず本日に至る
しかし、ワシもジジイになったので、オリジナル日本版乗り越えて観てみた
どうせ客いないだろ、という甘い読みがヤバかった
両脇をワシより遥かに年上のお爺さんお婆さん老カップルに挟まれて全体として8割の入り
ど真ん中ゆえに脱出不能
この作品、メインは後半30分の山場だったのだが、水飲みすぎてオシッコ我慢😣😣の修羅場に
公園建設への尽力がどうかなんて・・どうでも良くなってきた。最後エンドロール字幕で、俳優終わったら速攻脱出。
しかし本日は暇だったので、購入したパンフも事前に読み込んでたよヨ❗️
なんかエンドロール後に若いカップルシーンあるの、無いの❓【選挙公報で上腕二頭筋💪に問うなかやまきんにくん風】
なぜに❓周囲のご老体ならぬ人生の先輩、泣いてるのだろう❓小便トイレ行けないこっちが泣きテェヨ。
俺には、役人が普通に職務に専念した だけとしか見えなかった ビル・ナイ さん
有料パンフの受け売りだが 戦後黒澤明オリジナル 作の方が、かえって味があるような・・
作った公園ショボいし【ショボさが良いということだろねぇ】
別に普通に真面目に職務に専念の人生は空虚では無いです。ただし、たらい回し的なのは中曽根の行革以前は通常の風景だったろうから、現実味がある。
よく頑張ったお爺さん課長。ただ、それ普通だから・・
それと 癌になる以前も 普通だから卑下するのはおかしい
普通の普通の両親作品ともいう、なんだよ!やっぱり現国の先公のストーリーをトレースしただけだったよ!
一応イギリス🇬🇧様はイギリス🇬🇧様なりに構成や、展開に工夫されてた。でもノーベル作家である必然性は?
普通の 生きることの気づき作品。
ヤバい、次に見る エスター ファーストキル と 【ブランコ繋がりか?】
当時はレンタルビデオなかったから
【名画座でもやってたら是非見ろ】
「ゾンビ」の悔恨
「声をかけようか、迷いました。だけど立ち去りました。彼が…あまりにも…幸せそうだったから」
言葉が出ない。劇場を出て5分くらい経ってからだろうか、じんわりと涙がこみ上げてきた。
ビル・ナイに尽きる。ただただ美しい。一切の無駄がない。市役所から早退し、無断欠勤し、公園のベンチに座っているだけなのになぜあそこまでかっこいいのか?
ブレンダン・フレイザーを認めたうえで言わせてもらいたい。アカデミー主演男優賞でこの演技を斬らざるを得なかったのは、アカデミー会員にとってとても辛い選択だったに違いない。
基本的に僕はリメイクは好かない。「西部戦線異状なし」でさえリメイクに抵抗があった。まして海を渡るならば尚更だ。
だがこれは素晴らしい。違和感なくイギリスに置き換えられており、よりシェイプアップされている。
古典映画を彷彿とさせる演出に冒頭から惹き込まれた。
志村喬が印象的ならば、ビル・ナイは叙情的。
今年公開の作品の中では個人的にNo.1としたい。と、都会の風に吹かれたゾンビは思うのであった。
とてもみて良かったと思う映画
映画の内容も素晴らしいが、何より日本の黒澤明が作った映画を、単なるリメイク、オマージュではなく、生きるという思いを見事に受け継いだ映画だということ。
本当にこの映画を作った監督、製作者、出演者全ての人たちが、この黒澤明の映画の伝えたいことを受け取ったんだということが素晴らしい。
原作に負けず劣らない名画
言わずと知れた黒澤明監督の不朽の名曲「生きる」のリメイクでした。ノーベル文学賞作家のカズオ・イシグロが脚本を担当するなど、とてつもなく豪華な看板を掲げた映画だけに、どんな内容なのか興味津々でしたが、その大看板に負けない素晴らしい作品でした。
舞台は日本からイギリスに移していますが、時代設定は1952年から53年頃と同時代で、主人公も市役所の市民課長。ガンを宣告されて余命6カ月と言われてしまい、一時絶望で落ち込んでしまうものの、思い直して長らく懸案となっていた貧民街の公園建設を進める展開も一緒。役所の中では、「遅れず 休まず 働かず」と揶揄されることがある公務員の姿が、皮肉を込めて描かれているのも同じ。両国とも、そうした部分では共通点があって、思わず笑ってしまいました。
異なるところと言えば、まずはモノクロとカラーの相違。ただカラーで創られたとはいえ、本作の映像の質感は非常に抑制的で、70年前の時代を表すのに十分効果的だったと同時に、原作の空気感をも巧みに取り入れていたように思えました。
また、黒澤明の原作は143分だったのに対して、本作は103分と40分も短いことも大きな相違点でした。とはいえ内容的には原作の流れをほぼ忠実になぞっており、物足りなさは全くありませんでした。強いて挙げれば原作では主人公の葬儀で繰り広げられた同僚たちの主人公の評価に関する論争が、原作は結構長かったのに対して、本作は(通勤電車のコンパートメントの中に舞台を移して)コンパクトにまとめられていたところも異なる点でした。この点については、本作の方が原作よりも濃密で、原作を凌駕していたんじゃないかとすら思えました。
あと、原作の名を高からしめるのに大いに貢献した「ゴンドラの唄」が、本作ではスコットランド民謡の「The Rowan Tree(ナナカマドの木の唄)」に置き換えられていました。主人公のルーツがスコットランドにあるという設定でこの選曲となっていましたが、歌詞の内容は全く異なるものの、そのテンポとか暖かいメロディは共通しており、主人公が自分が建設に携わった公園のブランコに揺られながら唄うシーンは、原作も本作も神々しいばかりでした。
そんな訳で、原作の良さを損なうことなく、それでいてコピペではないオリジナリティを加えた本作は、原作同様間違いなく名画と言えるものだったと思います。
仕事と云うは、生きることと見つけたり‼️
武士道と云うは、死ぬことと見つけたり❗️
『葉隠』なんて難しい本、まだ読んだことないのですが、あまりに有名なこの言葉になぞらえて言うならば、タイトルのような感じがします。
生きていることを実感する時ってどんな時なのか。
あらためて考えると意外と難しい。
たとえば…
・何かの事故に遭って九死に一生を得た直後
・志望校に合格した時
・スポーツや何かの競技で優勝した時
・運命の人と出会えた時(その後の継続性はともかくとして😄)
・家族や親しい人の死に遭遇した時(悲しみの中でも自分は何者かによって生かされていると感じることがある)
・絶望感で死にたいと思う時(絶望するほどに、今生きてることを認識している)
でも、そういうイベント的な出来事のことではなくて、小さな達成感、小さな満足感、小さな誇り…
そういう経験が出来ること、それが〝生きる〟ということなのだと思います。
特別でない、ごく平凡な人間でも、〝仕事〟の中にそれを見出すことはできます。というより、やろうと思えば仕事の中でそういう感情を味わうチャンスは誰にでもあるし、逆にやろうと思わなければ〝ゾンビ化〟する、ということです。
現実的なことを言えば、より豊かな生活をしたければ、ささやかな満足感を味わうよりも、一種の負い目(これって本当に顧客のためなのか?)を感じながら数字をあげたり、組織の環境に合わせたり(広義のゾンビ化)したほうが早道なことが多いのではないでしょうか。半沢直樹的な振る舞いが、組織の中で報われることはなかなか厳しいと思います。
そういった意味では、この映画における〝生きる〟とは、年代的には個人差はあるけれども、いわゆる〝晩節〟における過ごし方について、あなたはどう思うのか?どういう態度で臨むのか?を問いかけているように、私は思います。
自分の働きで、どこかの誰かが抱える切実な問題が解決に向かうのならば、確かに、『怒ってる時間はない』。
深刻な状況にある人たちの環境改善を実現させるのが本当の良き仕事であるならば、余命があろうがなかろうが個人的な感情を爆発させるのではなく、決定権限のある人を動かす努力をすることのほうが遥かに優先順位は高い。
現役の会社や役所における仕事、ボランティア、自治会的な仕事(たとえばトム・ハンクスのオットーのような)、どんな形でも社会との関わりは必要です。
個人的な趣味だけで〝生きる〟を実感するのはやはり難しく、もしかしたら、私のこの仕事がどこかで誰かの役に立てているのかもしれないと思える社会的な関わりはとても重要です。
そう考えると、(社会に参画できる)人生の足切り基準が75歳という発想がかなり現実的な気もしてくるのがなんだかゾクッとします。
静寂で優しく、それでいて力強い作品
物語で印象に残ったもの。
帽子と傘。
ウォータルー駅、役所、雪景色の公園…。
“死”というものに直面した時、人は何を思い、何をするのか。
物語はウィリアムズの部下・ピーターが電車に乗車するところからスタート。役所勤めのウィリアムズが余命宣告を受け、ゆっくりと物語は進んでゆく。
余命宣告を受けたその晩、ウィリアムズの前に人生で幸せだった瞬間が次々と浮かんでくる。
自分のルーツであるスコット民謡を歌うシーンには目の奥が熱くなった。
はて、自分が余命宣告されると同じようになるのだろうかとか、いろいろ思いを巡らせたり…。
働くとは、恋をするとは、生きるとは…。
ウィリアムズの生き様を通して、観る人たちはそれぞれどう考えるのだろうか?いささか哲学的な作品でもある。
絵が美しかったなぁ。特に最後のシーンはため息が出るほどに。
海辺のリゾート地のシーンも個人的に好き。
生命力に溢れたダンサー、マーガレット…。
静かに涙が溢れる作品です。
忠実再現
どんな脚色がされるかと思っていたが、想像以上に原作に忠実だった。
日本とイギリス、島国という共通項からか、違和感なく入り込めた。カタブツの公務員は、さすがに紳士の国で、みなスーツでバシッと決めていてカッコいい。だが、机に山積みの書類と、倦怠感の漂うオフィスは、昔の役所というイメージは日本と変わらない。
冒頭は少しだけ味付けされていて、列車通勤に部署の新人が加わるところから始まる。確か原作はそんなくだりはなかったような。原作では、たらい回しのお役所仕事が当たり前の職場。それが普通の毎日で、ワタナベ課長は自分を無くしてほとんど生きていない、とかいう説明から始まっていたような。
初老の公務員が、突然のがん宣告を受ける。当たり前の日常が急に意味のないものに感じ、生きる意味を見つめ直す物語だが、その過程が場所がイギリスというだけで、ほぼ原作をなぞる。酒に溺れてみたり、若い女性を追ってみたり。最愛の息子にはなかなか真実を話せない中、職場に行く気にもならず、ふらふらと行き惑う初老の男性の悲哀というか、戸惑いが上手にまとめられていて、物語に引き込まれていく。彼の求めるものは見つかるのか、余命をどのように使うのか。改めて、ハラハラしながら観ることができた。
コロナ禍から常態復帰しつつあるこの頃。マチネーに観て、柔らかにカツを入れてもらうのに、丁度良い作品。
生きるとは、ミスターゾンビになっても甦って社会に貢献することとしよう。
黒澤明監督の名作映画「生きる」を、
ノーベル賞作家カズオ・イシグロの脚本によりイギリスでリメイクしたヒューマンドラマ。
1953年、第2次世界大戦後のロンドン。
仕事一筋に生きてきた公務員ウィリアムズは、
夢の紳士となって定年前にマンネリな日々を過ごし、
自分の人生を空虚で無意味なものと感じていた。
そんなある日、
彼はガンに冒されていることがわかり、
医師から余命半年と宣告される。
手遅れになる前に充実した人生を手に入れたいと考えたウィリアムズは、
仕事を放棄し、海辺のリゾート地で酒を飲んで馬鹿騒ぎするも満たされない。
ロンドンへ戻った彼はかつての部下マーガレットと再会し、
その彼女にミスターゾンビと字名を付けられ深く納得するのだった…
そんな彼が残っている時間の全てをあることに情熱を持って邁進する回顧録。
それにしても、
何にも知らされていない彼の子息の立場は一生辛いものとなるだろう…
最後のブランコでのスコットランド民謡は良かったが、
雪の場面の発泡スチロールの融けない雪に、
三人の男の脂乗った顔面はいただけなかった。
まあ、
ロンドンの昔のよく出来た情景に費用を掛け過ぎたのかな。
黒澤監督なら絶対しないことではある。
^^
イシグロカズオは少し難しいかな、村上春樹を絶賛してたことあったよな...
イシグロカズオは少し難しいかな、村上春樹を絶賛してたことあったよな、
黒澤明なんて理解できるかな、なんて思いながらも、見てみました
そしたら、そんな心配は無用だった
何かがすっごく共鳴しちゃって、途中からもう号泣につぐ号泣
いろんなところでいちいち引っかかり(←良い意味で)、
琴線触れまくりで、しばらく引きずりそうです
ナナカマドの木の歌を覚えたいと思い、検索したら、
ゲール語(?)が難しすぎて、音マネすら無理と判明、、、
オリジナルに対する敬意は感じるものの、オリジナルを超えようとする気概は感じられない
黒澤明の「生きる」との一番の違いは、新人の市役所職員の視点が加わったところだろうか・・・
彼は、若い女性職員とともに、主人公を最も理解する人物として描かれるが、それだけでなく、主人公が彼に遺した手紙によって、この映画が伝えたかったことも分かるようになっているのである。
ただ、彼は、ほとんど、公園作りに情熱を燃やす主人公の姿しか見ていないはずなので、もっと、お役所仕事にどっぷりとはまっていた「ゾンビ」の頃の姿も見せるようにするべきだったのではないかとも思う。
その他の部分は、舞台がロンドンに変わっただけで、時代背景も、市役所等の設定も、途中から回想になる構成も、極めてオリジナルに忠実に作られているという印象を受けた。
これは、「生きる」に敬意を表しているということなのだろうが、その一方で、はじめからオリジナルを超えるつもりはなく、超えようとする気概もなかったのだとも思えてしまう。
いかにも英国風の端正で格式のある映画にはなっているものの、さっぱりとした薄味の印象で物足りなさが残るのは、そうした気概が感じられないからなのかもしれない。
2022年。オリバー・ハーマナス監督。黒澤明監督「生きる」をリメイ...
2022年。オリバー・ハーマナス監督。黒澤明監督「生きる」をリメイク。ノーベル文学賞のカズオ・イシグロ脚本。死んだように生きていた役場の課長が余命宣告を受け、人生を楽しもうとするができず、仕事で人々の役に立とうと思い立つ、という話。
原作をロンドンに移し替えてかなりの程度忠実に描いている。主人公の死後、原作では葬儀の場で毀誉褒貶、喧々諤々の議論があったと記憶するが、それは葬儀から帰る汽車の中での同僚たちによる静かな振り返りに置き換わっている。いずれにせよ、物語の大筋は変わらないので、古今東西、官僚制の責任逃れと虚無感に襲われない人生の楽しみの見つけにくさと社会変革は身近な一歩からという発想とが共通しているということだ。黒澤版「生きる」によって70年前に全人類にその思想が普及したのでなければ。
どこかで感動したかといわれるとつまってしまうが。
全190件中、161~180件目を表示