すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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心に響かない…
まったく心に響かなかったです…
悲しくなるくらいに、話に乗れなかった。ものすごい絵があってものすごいことが起こっているのに、途中から退屈で退屈で仕方なかった。
いちばんは、すずめと草太の関係性に気持ちが乗れなかったこと。すずめは過去の出来事があって、震災を止めたいというのはわかるけど、草太への思いがあるから、あそこまでの危険に飛び込むわけですよね。だからすずめにとっては、草太はかけがえのない存在でないといけない。この2人の関係性が、物語上で描ききれてないのは大きな問題で、関係性が積み上がっているようには感じない。だから、終盤に向けてのすずめの草太を助けたいと思う展開が、そこまで切実に感じられない。
すずめと草太が一目惚れなのはいい(実は出会っていたというのもいい)。さすがに椅子になるのが早すぎるように思うんです。人間パートが少なすぎないか。
もっと草太の人となりがわかるくらいには描いて、椅子になってしまうのが寂しいと思えるくらいには、2人の関係をじっくり描いてもよかったのではないか?
だからバディものとしても物足りない。
基本的にはミミズが出てきて、2人が戸締まりをする。このとき、2人だからこそできたという共同作業な感覚もない。ダイジンもつかまらない。つかまえても戻る術がよくわからないんですね。
日常が危うい、日常を守らなければならないという感覚も弱い。
すずめの日常を描く時間をもっと増やしてもよかったのではないか。旅をしているなかで、出会った人たちを守るというマインドももっと強くなっていかないといけない。不特定多数の人を守る、というのはさすがに命をかける理由がうすぼんやりとしてしまう。
すずめが命を賭けて守るものはなにか。それがよくわからないのだ。
さらにすずめは生命の大事さをわかっているのか。簡単に差し出すというが、それはどうなんだ。もちろんラストに生きるんだという強い意思にはつながるのだけど。終盤までチープな動機が続くので、かなりツラい。ダイジンが要石に戻るのでいいなら、最初からそれでいいじゃん…とも思ってしまった。
『天気の子』で、自己犠牲のその先を描いたのに、どういうことだ。世界を救うために誰かが犠牲にならないといけない、そのときにどう選択するのかという強烈な問いや設定がない。
4度の地震の危機があるが、同じようなパターンで、どんどん緊張感が失われていく。インフレさせるか、パターン変えるか、日常をもっと描くかしないと。なんならミミズが落ちてからの世界を描いてほしかった…。問題はそのあとだからだ。震災はすべて止められるものではない。じゃあそのさきの世界をぼくらはどう生きていくのか。現実に生きている人たちにどう接していけばいいのか。平和だと思っている人なんてもうどこにもいないよ。不安が蔓延しているこの時代に、それでも前に進まないといけない時代に、そんな表層的な自己犠牲の話をやられても響かない。
新海誠を信頼しているのは、時代を描ける人だと思った点。『君の名は。』で震災と向き合った。『天気の子』では、終わりのない狂った日常を、それでも好きな人と生きていくと宣言させた。反社会的といえるかもしれないけど、これこそが今の時代を描いたと思わせる強烈な作品を突きつけてきた。あのラストから世界はどうなっていくのか、考えざるをえない。それは震災後の僕らでもあるし、コロナ禍の僕らであるし、経済が衰退していき不安が覆っている状態だと読み替えることもできる。『天気の子』は2019年の作品でコロナ前でありながら、的確に今の時代を描いていたのだと思う。
だからこそ、新海誠が今なにを描くのかに興味があった。
しかしそもそもハードルを上げすぎかもしれない。その先を見たいなんて、こちらの願望でしかなくて、作家はしつこいくらい同じテーマを描くのが作家性ともいえるわけで、時代と寄り添わなくてもいい。震災に誠実に向き合った作品と見れば、また違うのかもしれない。
あと、「かえるくん、東京を救う」という村上春樹短編のなかで自分が最も好きな作品があって、かなりリンクしている部分がある。それで鑑賞中に期待値が勝手に上がっていたのもある。
散々、指摘されていた歌パートが今回はまったくない。これは物足りなさにつながっているのは明らか。失って初めて気づく、俺歌パート好きだったんだよーという気持ち。
だって否応なくエモーション。新海誠の絵と、RADWIMPSの歌が流れてたら、感情が揺さぶられるわけで。おかげで、RADWIMPSの歌もまったく印象に残っていない。ミュージックビデオ要素でいいじゃないか、ごめんね新海誠。
本当に惜しい。あと少しで映画史上最高傑作だったのに…
今年の夏、まず自分は小説版「すずめの戸締まり」を手に取った。そして、3日程度で読破。その瞬間、分かった。あぁ、これは間違いなく映画史に残るレベルの映画になるだろうなと。それくらい完成度の高すぎる小説だった。これだけ完成度の高い小説に、新海監督の映像美が組み合わさる。なんて映画だ、そう思った。そして、いざIMAX版で鑑賞。オープニングが始まる、これは☆5だな、そう確信した。しかし、映画が終わると、え?と思った。なぜなら、小説版で描写していた部分がカットされていたからだ。確かに、121分とアニメ映画にしては長めの上映時間のため、どうしても全てを描き切るのは難しいと思う。しかし、どうしてあの部分をカットしてしまったのか、特に予告編ではあったのに…と思った。よく小説を読んで、予告編も見ていた人なら、どの部分か分かると思う。
芹澤が歌うシーン、あそこをもう少し少なくするなど、他に色々と手はあったはず、本当に惜しい。でも、それ以外はほぼ完璧に近い完成度なので、是非1度は、映画館でご覧になってはいかがでしょうか。
震災をテーマにしていて、東日本大震災で被災した女の子すずめの成長が...
震災をテーマにしていて、東日本大震災で被災した女の子すずめの成長がテーマの一つになっていて、素直に泣ける映画だった。
旅をしていろんな人々と出会うけど、会う人がみんないい人過ぎて気持ちよく観れた。その中でも芹澤くんは見た目もいいし優しすぎるし声も神木隆之介なのでめちゃくちゃに人気が出るだろうなと思った。
環おばさんがすずめに本音をぶつけるところ、その後仲直りする時に「あれは本音だけど、それだけじゃないから」という言い方をするところに、環おばさんの哀愁を感じた。環おばさんにも幸せになって欲しい。
あと声優がみんな俳優やアイドルなんだけど、違和感がある人が一人もいなくてとても演技が良くてびっくりした。草太の声をSixTONESの松村北斗がやっていたけど、演技も自然でかっこよかった。アイドルで演技もうまいなんてずるい。。深津絵里もすごかった。
予告を観た予感通りの出来
前提として自分は新海誠作品の「君の名は。」や「秒速5センチメートル」は傑作だと思っています。その上で、前作の「天気の子」は凡作だと感じていました。本作は予告の段階で嫌な予感がしており、劇場で観るか躊躇していましたが鑑賞しました。映画の出来は開始5分程度で大体分かりますが、始まりからして嫌な予感は的中でした。まずストーリーが滅茶苦茶です。震災にスポットを当てる事には全く悪いと思いません。主人公や脇役達の行動がどう考えてもあり得なすぎだし、終始ご都合主義が続いてもはや苦笑するレベルでしらけます。音楽に関しても君の名は。>天気の子>本作と劣化感が否めなません。一曲も耳に残る曲がないんです。風景映像は綺麗ですが、新海作品を観たことがある人なら同じような映像を観たなと感じるでしょう。同日に鑑賞したブラック・パンサーが良作だったため余計に酷く感じたのかもしれませんが、本作を高評価にしている人が多いことに愕然とします。自分には新海監督の才能は枯渇したとしか思えませんでした。
なるほど
予想より良かった
誠実・面白く内容も深い
新海誠は日本を殴りにきている
集大成にふさわしい作品
展開が早い
前を向くことが大事なんですね。
幸いにして、これまで大きな災害に遭ってはいませんし、大きな痛手も受けてはいないのですが。評論子は。
でも、そういうトラウマを心の内側に抱えている人の苦痛は並大抵ではないことでしょう。
でも、人間は未来に向かって生きていかなければならないので、今を大切に生きることが大事であることは、多言を要しないでしょう。
「記憶の中にすっかり封印してしまえ」ということではないにしろ、やはり既往だけに囚われていては、いけないということでしょう。
その意味で「已往の諫(いさ)められざるを悟り、來者の追ふ可(べ)きを知る」という言葉は、一面の真理を衝(つ)いていると、評論子は思います。
(現に過去のトラウマに苦しんでいる人の苦しみを否定するものではなく、あくまでも前記のようなトラウマにを抱えてはいない評論子の考えですが)
本作で鈴芽が果たしてきた「戸締まり」というのは、そういうことでは、なかったでしょうか。
新海版シン・ゴジラ。 ダイジン、あざと過ぎ萌え。 東日本大震災の経...
3部作集大成!シンプルな恋愛映画も観てみたいです。
新海誠ワールド
まず、入場者特典の冊子にビックリ。
簡単なチラシ程度の内容かと思ったら、企画書の画像、監督のインタビュー、主要キャストとの鼎談、とかなりの充実度とボリューム。
冒頭映像など配信されていたがあえて観ず、ほとんど予習もなく来たが、上映前にこれをパラパラと眺めて、初めてこの映画がある出来事をモチーフにしていることを知った。
それ自体は私とってある意味「ネタバレ」でもあったが、冒頭の映像を観た人なら想起されるコトではあろうし、あまり気になることでもないのだが、それとは別に、私はあの出来事をネタにするのは、言葉を選ばず言うと「卑怯」な気もしている。
それは、あの出来事で被害を受けた方々が今も依然として生活されていて、それを当時多くの日本人がリアルタイムで大きなショックを受けながら注視していた事件だったから。
正直、私はあの現場の映像は今でも苦手にしている。
私が「卑怯」だというのは、「作品を作るな」という意味ではなく、「どうしたって泣いてしまう」からだ。
前置きばかり長くなってしまった。
(ここから少しだけネタバレっぽい内容も含みます)
まずは相変わらず…いや、さらにクオリティの上がった映像美。自然物はもちろん、光や水といった無機質なモノを美しく描かせたらやはりトップクラスだと思う。
そして、CGで背景が自由に動かせるお陰で、カメラの動きでこれまでに見たことのないようなシーンがたくさんあった。
そして今回は「人」の描き方もこれまでより踏み込んでいた気がする。
とは言え、やはり新海誠作品テイストは健在なので、彼の作風が好きならハマるだろうし、そうでなければピンと来ない人も多いだろう。
本質的なところでよく解らないところもあるし。
でも私は、これまでの劇場作品3作の中では一番好きだなぁ、という感想。
ラストシーンとパーキングエリアでのシーン(この辺りはむしろ大人達の「人を救うことって綺麗事じゃない」という叫びに近い)で都合2回の涙、でした。
ま、その辺りは私自身の更なる老いと、最近仕事で大きく削られたメンタルのせいなのかも知れませんが。
この映像を楽しむなら、劇場以外はあり得ません。
よろしく。
「君の名は。」「天気の子」より好き。最高傑作。
今回の作品は東日本大震災という重いテーマの作品であるが、ここまで深い作品にできるのは日本の映画監督のなかで新海誠監督しかいないと思う。
「行ってきます」という単純な言葉がここまで心に刺さったのは初めてで、何気ない日常を送る日々がどれだけ幸せなものか改めて感じることができました。
終盤のシーンは鳥肌注意です。
また、映像美は流石といった感じで終始綺麗でしたし、今回はRAD要素が少なめでコミカルなシーンやシリアスなシーンのバランスが良く、とても見やすかったです。
老若男女に受け入れられるでしょうし、君の名は。は超えられるか分かりませんが、結構いい線まで興行収入は伸ばせるんじゃないかと思います。
不満な点を挙げるとしたら、すずめと草太の関係性とダイジンについての深堀りがもう少し欲しかったくらいですね。
それ以外は文句なし。
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