すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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川村元気に去勢された新海誠がひり出した凡作
新海誠の作るアニメは、こんな無難で平凡なものではなかっただろう??
確かに、新海誠のことは好きじゃなかったよ。描かれる電波じみた恋愛劇はどれも変にこじらせて気色が悪く、作品の構成もただ自分が思うエモいシーンに落とし込む為に脚本を作るような強引さがあって、浅い教養で語られる浅い文化的な設定が空寒く、サブカルぶった界隈の信者にチヤホヤされてる作品は常々気持ち悪いと思っていた。でも一本しっかり芯が通った変態性を、確かに持っていた数少ないアニメーション監督だったはずだ。
全体通して際立った新鮮な感動もなければ、新海独特の気色悪さやそれに伴う強引極まりない展開も更に低減してしまい、誰にでも理解ができる(=わかりやすい、ではなく、行間を読む必要もなければ深いメッセージもなく既視感に塗れている)凡百の夏休みアニメになってしまった。
微妙な違和感やテキトーさは感じるものの、それらは作品の本筋を歪めるほどの破綻ではなく、盛り上がりどころもないままにフツーに観れてフツーのままに終わった毒にも薬にもならないようなこのアニメが、牙とタマを抜かれた新海誠の到達点だとすればあまりに哀しいことではなかろうか?
ひとつ新鮮でエモい描写があったとすればすずめの育ての親である40歳行き遅れ叔母さんの存在であり、カネの話もサラっと引き合いに出しながら本音を吐露するサービスエリアのシーンの妙な生々しさは他の作品に類を見ない。すずめとの微妙な関係性を無理やり美しくまとめることもなくなあなあに処理したそれも、また絶妙なリアリティを伴っている。
他に褒めるところがあるとすれば、相変わらず空を描くのが上手いことくらいだろう。(もうこれはスタジオの新海フォロワーがやってるだけなんだろうが)
一目惚れして会ってたかだか数日(しかもそのうちの大半は子供用の椅子の姿)の大した体験も共有してない男のために「命を捨てられる」「草太のいない人生が怖い」とのたまう女子高生の言葉には美しさもいじらしさも一切感じず、ただ浅慮なのかイカレなのかとしか思えないのだが、しかしボーイミーツガールが大好きなマジョリティの日本の大衆にとってはごく自然に受け入れられる美談なのだろう。自分には到底理解し難いが、それはただ単に自分の恋愛に関する感性が鈍いだけなのだ。
他にも飛び越す必要のない警告板を無駄に飛び越えたり、たいした動機も無しになんの躊躇もなくローファーで廃墟の水たまりに足を突っ込んだり、ミミズ封じの場所移動がママチャリでワープしてるようにしか見えなかったり、たった1日で「ショーグン」が共通言語としてSNSでバズるわけなかったり、扉を閉じる伝統職業の存在の説得力がガバガバだったり(教師やっててこんなクソ重要な副業はできねえだろ)、小骨が引っ掛かるような雑な設定や演出は挙げだすとキリがないのだが、前述の通りそれが作品自体を破綻させるほどのものではない。ただ観てて快適かと言われると決してそうではない。
こんな空の色が綺麗なこと以外は何もない凡作アニメーションの中に「ねえ、日本のみなさん。僕が宮崎駿の後継者でいいですよね?」と言わんばかりにジブリへの言及がセンスなく散りばめれてるのは大変に浅ましい。(でもちょっとだけ可愛い)
日本を代表するアニメーション監督になるのであれば、他の偉大な先駆者がそうであったように、変態性を失ってはならない。
資本主義社会において興行収入と利益こそが作品の価値を定義するのならば川村元気が史上最高のプロデューサーなんだろうが、おれは決して認めない。次の作品では、おれが嫌いだったあの気持ち悪い新海誠の逆襲があることを期待している。
その他細かい感想
・(陰キャが安易に描いたような)チャラメガネの大学生出す意味あったのだろうか。神木隆之介使いたかったからだろうか
・大して重要じゃなくてどうでもいい設定を敢えて投げっぱなしにすることでSNSで考察を盛り上げようとでもしてるのだろうか?
ジブリの諸映画を暗示させるものが多いですが、隠してるわけじゃないの...
ジブリの諸映画を暗示させるものが多いですが、隠してるわけじゃないのでリスペクトとして見ました。
宮城県民ですが、11年経っても素材として震災取り上げられるとちょっと苦しくなることもある自分に驚きつつ、素直に新海ワールドらしいよい映画だったと思いました。
新海ワールド全開の秀作
相変わらずの展開のスピード感が他の追随を許さない。あっという間に物語の中に引き込まれていました。
シネコンの半分近くの上映回数を占領しているのも納得です。すぐにもう1回観たくなる作品だと思います。
私的には前作「天気の子」を上回る興行成績は期待できると思います。
自然災害を交えたストーリーは新海監督作品に共通していますが、重くならないように登場人物の明るい個性でカバーしながら微笑ましいエピソードを入れてくる展開はさすがという感じ。
劇場ならではの感動を味わって欲しいので
是非映画館で🎦
94
スズメがうるさくて後先考えない行動が合わなかった
九州・宮崎で暮らす17歳の女子高校生・スズメは、扉を探している青年・ソウタに出会った。彼の後を追い山中の廃墟に着くと、そこで古びた一つの扉を見つけた。スズメが、扉を開けると広い草原と空があった。その後、人の言葉を話す白い猫・ダイジンが現れ、ソウタを椅子に変えてしまった。やがて、日本各地の災いの扉(後ろ戸)が開き始めた。スズメはイスになったソウタを元に戻すためダイジンを追っかける旅に出た。さてどうなる、という話。
絵は綺麗だけど、ストーリーが個人的に好きじゃ無い。
スズメがギャアギャアうるさいし、後先考えずに猪突猛進する所はドン引きだった。
あの渦巻きのような訳わからん形状も気味悪いだけでダメだった。
十明の主題歌は良かったし、新海監督作品らしく相変わらず絵は綺麗なんだけど、肝心のストーリーが合わないから眠くなった。
個人的にはイマイチ。
11/15追記
みなさんの評価が高く、自分とのギャップが大きいので、もう一度、一生懸命、2度目を観てきた。
確かに、伊藤沙莉の声はスナックのママに合ってたし、ミミズも慣れたら、まぁいいか、と妥協できた。
しかし、やはり初めて会ったソウタにいくら一目惚れでもあそこまでのめり込むのはちょっと異常。イスになってもあの惚れ込みようは理解不能だった。スズメの叔母さんに対する態度も、やはりおかしすぎる。
会う人会う人、良い人過ぎる。愛媛の女の子、神戸のママ、東京の芹澤など、初対面の人にあの親切さはありえんでしょう。世の中なめたような無鉄砲なスズメが宮崎から宮城まで行けたのが奇跡すぎる。
ミミズが見えたら行かなくてはいけない、というのも使命感というよりソウタが好きだからか?
2回目を観てもストーリーに疑問点だらけ。
イマイチの評価変わらず、です。
23/10/2追記
遠いところ、の花瀬琴音を観たくて(聴きたくて)おかえり上映を観に行った。
愛媛の女子高生・海部千果役だが、ほのぼのとした温かい演技で良かった。癒される。
鈴芽役の原菜乃華もうるさいのはストーリー上仕方ないが、よく聴いてると、間の取り方など上手いな、と再認識した。
3度目の観賞で➕0.5の星3に修正します。
新海誠監督の大駄作、とても残念
世界感とストーリーが新海誠監督にしては失敗と思われました。
相変わらずの美しい映像美や、一部の好感のあるキャラクを生み出すことには長けていると思います。
しかし、オカルティック過ぎる世界感には最後まで違和感が付き纏い、ストーリーにも斬新さは感じられませんでした。
過去の4作品「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」「君の名は」「天気の子」に比べると、かなり見劣りする作品となってしまった事が残念です。
好きな監督だけに大きく期待し過ぎてしまった面もあるとは思いますが…
現実の世界をベースにして、一部が夢のあるオカルトである「天気の子」や「君の名は」の様には共感できませんでした。やはり感情移入するにはある程度のリアリティを感じられる事が必要でしょう。
そして感情移入できなければ残念ながら感動も得られません。
とは言え、それでもなお最後まで何とか観れる作品に仕上げられているのはやはり新海誠監督の手腕なのでしょう。
ストーリーの是非を考えず、大型スクリーンで素晴らしい映像美を楽しむのが良い作品でしょう。
次回作に期待します。
唯、最後に、
新海誠という監督には、この作品の程度で満足して欲しくない。
過去に香り高い作品「言の葉の庭」を作り、エンターテイメント性の高い作品「天気の子」を世に送り出した人である。
ここで中途半端に纏ってしまっては誠に惜しい。
世論に流された賛美や風評に惑わされる事なく、先へ先へ進んで欲しい。と強く願う。
素直に
他の方のレビューにあったように僕も「もののけ姫」を思い出しました。
批判もあるみたいですが、個人的には良き作品でした。
全作品がスマッシュヒットってやっぱり難しいと思う。
前作、前々作と比べて〜とか、わかるけど、好みは人それぞれ違うから作品の優劣は仕方ないのかな。
素直に良かったです。
今作は君の名は、天気の子とは違い音楽が少なめです。 震災や両親を亡...
今作は君の名は、天気の子とは違い音楽が少なめです。
震災や両親を亡くしている主人公など内容がシリアスなだけにそうしたのかもしれませんが。
行く所々で会う人、物全ていつ無くなってしまうか分らないけどそれでも前を向いて生きていこうと後押しされる作品でした。
行く所々の人達が「行ってらっしゃい」というのは震災で失った人達の最後の言葉であることと今生きてる人達の背中を押す言葉で非常に感動しました。
正直新海さんはシリアス感が好きです笑
思っていたよりメッセージ性の強い映画だった
公開から翌日、事前PVや情報ない状態で見に行きました。新海誠といえば「君の名は。」「天気の子」ですが(それ以外の作品は見たことないです、すみません)、評価はきっと賛否両論あるだろうなと。。。
そんな感じで評価いきましょうか。
【内容について】
要石を抜いたことによって震災が起こる。そういうことを防いでいくというのが簡単な内容。わかりやすくて良いと思います。
やはり世界系なんだなと思うところはありましたが、「天気の子」と違い震災を防ぎつつ、ヒロインも助けられるという素晴らしい展開でした。100点です。
【東日本大震災について】
終盤は震災の舞台となった東北地方(詳しい場所は作中で言ってましたが忘れました)
あの日記の黒塗りは正直怖かったです。それくらい絶望した光景だったことが想像できます。シュタゲの失敗したの連呼を思い出しました(伝われ)
人々の思いを聞くシーンで「行ってらっしゃい」「いってきます」があったかと思います。あのシーンにはグッときてしまいました。
「決して忘れてはならない」というメッセージ性が強く現れており、ここだけでも名作になったのではないかと思わせてくれるシーンでした。
【関東大震災?防ぐシーン】
ここは「天気の子」とは対になるシーンとなりました。
…まあここで100万人規模が亡くなる震災起こしたら映画とはいえ不謹慎極まりないですが
まあまあでも良いシーンでした。私的には満足です。
【疑問点:過去にあった震災はなぜ防げなかったのか?】
現実と重ねてるなら、防げなかった原因を描写して欲しかったですね。
マジで扉閉めるだけだろ?主人公でさえ防げるのに、どうした?と思いました。
【疑問点:前作と繋がりは?スペシャルゲストなし?】
「天気の子」では前作「君の名は。」で登場した人物が出てきており、なんとなく時系列も想像できます。今回は「天気の子」の先の時系列か?と思いましたが、東京は無事なので、おそらく繋がりも何もないのかと思います。
じゃあ「天気の子」のあれはなんだったんだ?と思いますが、単純にスペシャルゲスト扱いだったのかもしれない。
そういうことするなら、今回もそうしてくれと思いました。
……私が見逃してるだけかもしれないので、見つけた人がいたらコメント頂きたいです。
【総評】
結論を言うと、「天気の子」より面白かったです。
ただ新海誠らしくないアクションシーン満載で、「あれ?新海誠っぽくないな?」とか思いました。まあ好きですけどねアクションシーン。
それにしても風景はかなり良く、雲の流れるシーン多かったですが、実写なのではと疑うレベルで良かったです。
以上、レビューでした。
余裕があれば2回目、見に行きます。
というか2時間は長ぇってばよ。おしっこ漏れるかと思いました(笑)
□追記
調べてみたら、前作とは無関係と新海誠が言っていたみたいですね。。。失礼いたしました
周りの評価もかなり良いみたいですね!興行収入が楽しみです(*´艸`)
グッとくる作品でした。
声優陣も本当に素晴らしく、相変わらず映像にも引き込まれました。
笑えるシーンもあれば、本当にゾッとするようなシーンもあり2時間があっという間に過ぎました。
すずめの曲は何度もループするほどどハマりしています。
素敵な作品をありがとうございました。
すっずめ♪ (イラッ)
2022年劇場鑑賞260本目。
第一弾予告はあんまり内容は分からなかったのに、公開直前の第二弾でガンガンネタバレかましてきて、おいおいこれクライマックスのとこじゃねぇのかよ、萎えるな〜と思っていました。
前作の天気の子のクライマックスみたいなシーンになって時計を見たらあれ、まだ1時間もある・・・。
しっかりとしたボリュームでしたがここいらないなってシーンもなく、展開も前述の通りずっと同じというわけでないので最後まで楽しめました。
ダイジンにはだいぶイラだたされましたが最後泣いちゃいました。
突き抜けて満点!という感じでもないのですが、減点するところもなかったです。
映像は相変わらず美しく、どこのシーンを切り取っても絵として成立するのはさすが。
新海誠監督が描く現代の神話
新海誠監督が描く現代の神話。
作家性を出しつつ万人に寄り添う
解りやすさと娯楽性。本当に凄いです。
本作も冒頭から息を呑む美しさ。
息吹を感じる自然。人の生活を感じる町並。
美しさを再認識させられる自然光。
登場する全ての人がすずめを後押しするように
優しく協力的で観ていて幸せな気持ちに。
超自然的な展開も違和感なく受け入れられる
不思議な説得力を持つ新海ワールド。
加えて現実と向き合う覚悟と実直さ。
君の名は。で尋常じゃなく上がった
観客のハードルを満たす素晴らしい作品。
新海誠監督作品としては凡庸な出来
出世作となった「君の名は。」は想像を超える意外な展開と設定があったし、
「天気の子」は賛否両論あれど、そこまでやるかという突き抜けたオチがあり、
それぞれに視聴者の「こうくるだろうな」を気持ちよく裏切ってくれるあたりエンターテイナーとしての才覚を感じさせる作品だった。
つまり新海誠作品というのは、そうそう都合よく我々凡人の想像に収まる程度の展開で進んでくれるほど単純な話ではないのだ。
それが今回、「すずめの戸締まり」では、残念ながらふつうはこういう展開になるよね、という筋書き通りに進み、だいたいこんな感じできれいに決着するよね、という感じで終わる。
ということで個人的には展開の妙にわくわくできてこそ新海誠作品だと思っていたぶんがっかりした。
映像のクオリティは文句のつけようがないし、角を削られて丸くお行儀よくまとまった作品のほうが商業的には正解なのかもしれないのだけれども。
素晴らしい表現力
映画館で観られてよかったです。
かなり直接的に震災をテーマにしながらも、エンターテインメントとしても見事な完成度の高さでした。素敵な風景の描写、クスッと笑えるロードムービー、心に響く歌声、表現力の上手さ、最高でした。
君の名は。、天気の子と分類としては同じかもしれませんが、一番記憶に残る映画でした。
映像、ストーリー、音楽。 全てがメッチャ良かったアニメ! 本年度ベスト!!
予告編で観た足が一本無い椅子が微妙な感じだったけど、椅子の正体を鑑賞中に理解して納得(笑)
高校生の鈴芽と椅子が九州から四国経由で東北まで猫を追いながら各地の廃墟を旅するストーリー。
鈴芽が出会う人が皆、優しい方ばかりで好感が持てる作品。
ダイジンも結局良かった。
3.11の震災を思い出す感じで、緊急地震速報のアラーム音が恐ろしい。
災害の原因となるミミズを扉の中に封印しながら鈴芽達が北上していく感じ。
大学生の草太が陰ながら日本を守っていたのか(笑)
ぶっちゃけ鈴芽が始めて鈴芽で終らせるストーリーだけど、鈴芽が命を顧みない行動に感動。
暫くはドアに鍵をかける時、
「お返しします」
と言ってしまいそう( ´∀`)
良作のエンターテイメント
新海監督の映画で個人的に一番好きです。
テーマ、アクション、恋愛、ストーリー等のバランスが良かった。
音楽の使い方も素晴らしく、「君の名は」「天気の子」を歴た新海監督の到達点、無駄がない。
期待外れだった
ものすごく楽しみにしていたので、ワクワクしながら鑑賞。
話は事前に知っていたものの、それ以外にもたくさん要素があるんだろうと思っていたら、そんなことはなく、災いを封じ、あの世に行った草太を助けて丸く収まる。
ダイジンやサダイジンの役目やなぜすずめにこだわっているのか、草太に対する恋心など、もっと説明してくれていたら深みが出ていただろうに、内容が薄いな~という感想を持った。
震災に対しての思いがあまりなく、そういうシーンを見てもどこか違う世界の出来事として感じるから、余計にストーリーに面白味を感じないのかもしれない。
災いを封じる・・・人間からすると災いなのかもしれないが、地球はたまた宇宙全体からすると地震や噴火は単なるサイクルにすぎない。自然のサイクルなので防ぎようがないから、なるべく死なないように備えるしかない。
草太の人柄がもっと丁寧に描かれていたらもう少し深みがあったのかなぁ。
声優のアイドルも上手とは言えなかったし。すずめ役の方はとても上手だった。
ただ、新海監督の言いたいことは十分伝わってきたし、迫力があるので観るなら映画館をおススメする。友達に勧めるとするなら、金曜ロードショーでいいんじゃない?というかな。
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