すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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良い点悪い点
男女ペアで危機に立ち向かうみたいな流れはこれまでと同じです。
全体を通してジブリを意識している感じを受けました。途中ジブリ曲入りますし。
地震速報はわざわざこんな大げさに注意流すほどようなものでもない気がします。
本物と音違いますから(同じものもあったらすみません)。
そんなこと言ったら開始前の公開予定情報で流れてたやつだってお風呂が沸いたのかと思いました。
主人公が最序盤イケメンへの一目惚れで一緒にいるようになりますのでくっつくまでの展開はないに等しいです。
地震の発生源は裏世界のミミズで、封印のための要石(ダイジン)を倒してしまってミミズの封印が解かれたというのは良かったです。
個人的に気に入らない(理解できない)場面
・草太を要石にした割にはミミズを封印するわけでもなく追いかけてこさせるダイジン
・左大臣の登場(ダイジンが解放した?そもそもダイジン自体が大臣っぽいからってSNSのハッシュタグで拡散した名前では?)
・ソウタのいない世界なんて~(会って間もなく椅子にされてんのに面食いにもほどがある(笑))
・叔母さんのかわいそうさ(姉妹の娘を引き取って育て、結婚願望あるらしいのにコブ付きと遠慮した挙句に娘がイケメンとあっちこっち家出同然状態)
・叔母さんブチギレ(左大臣に操られてたみたいな描写だけどどうゆうこと?)
・東北まで付いてきてくれている二人に頑なに事情を言わない
・事故ったとたんに運転手と叔母を置き去りにする
・ぽっと出左大臣の方が対ミミズ戦で活躍する
・何故か急にダイジンと和解する(草太を椅子にしてこの映画前半の大追跡のきっかけを作り、首都大地震直前という事態を引き起こした割にここが軽すぎるのはけっこう致命的なような)
・閉じ師と教育学部は相性悪すぎでは?ビジュアル生かして教育系配信とかやるならどこでも出来るのでまだ分かりますが
・キャラデザがシャープ感寄り(伝え辛い)になっている気がします。君の名はの頃くらいの緩さが欲しいなあという気も
・すずめその行動力と運動神経あるならバイトするなりできるのでは…
・このミミズ海外にも出るのかな
良かった点
・背景などの作画
・挿入歌や曲
・ミミズのあたりの設定
・胡麻化さずに津波後を入れた
・全体のテンポ
映画としては悪くはないのですが???な部分が多すぎて評価を多少低めにしました。
3/11もこうやってアニメ映画に組み込めるようになったあたり時間経過を感じます。
この映画の内容であれば、草太とすずめを要石にしてしまうような所謂バットエンドでも良かったのではないかと個人的に思います。
ダイジンと左大臣が元は人間だったのかは分かりませんが。
震災を経験した方への注意喚起をもっとしてほしい
私は震災を経験していないし震災に対してトラウマのような感情もないですが、上映中に気分が悪くなるシーンがありました。被災された方がなんの事前情報もなしにこの映画を見たらどのような気持ちになるのか。見るにしてもせめて覚悟を持っていかないと相当きついと思います。
・東京の上空に大きなみみずが現れてすずめがそれを鎮めるシーン。ダイジンがニヤッとしながら「人がたくさん死ぬよ♪」と言い放ちます。あまりにも軽すぎない?。言い方がどこか他人事だし必死感は微塵もない。自身が災害を防ぐ役割を担ってた者の言葉とは思えない。100万人の命かかってんだろ?
・すずめの絵日記を見るシーン。真っ黒に塗りつぶされたページの日付は3月11日。常夜の中で必死にお母さんを探す幼少期のすずめ。家の屋根の上に乗っかっている船。これらの描写だけでもトラウマが蘇り苦しくなる人がいると思います。覚悟を持って見ないとだめです。
・要石になった草太を抜き取るシーン。これ下手したらすずめのせいでまた大きな災害が起きる可能性ある行動だよね?すずめが要石になれる保証なんてないしダイジンが要石に戻る保証もない。好きだっていう理由でそんな行動していいの?軽く考えすぎじゃない?ハッピーエンドになったからよかったけど、震災経験した人からするとこんな軽く扱われてほしくないと思う。
風化させてはだめな題材だとは思うけど事前の注意喚起をもっとすべき映画だと思います。
他の方のレビュー見てるとそんなに重く受け止めてる人が少ないように感じるのですが私が重く受け止めすぎなのでしょうか。
2度は見れないかな。
高身長萌え
ヒロインの背が高そうなところ、運動神経も良さそうなところが良かった。個人的に気に入らないディテイルもあるが、いくつもの山を上手く繋げて美しい映像とともに長時間飽きさせないスキルは手慣れた域に達していると感じた。ダイジンが単純な悪者じゃないとわかるあたりから涙も出てきた。311をここまで直接的に組み込んでいるとは知らなかったので途中から、変な形にならないか心配でざわざわしてしまったが、それは杞憂だったか。ただ個人的には「君の名は。」を超えたとは言えない。
先述の気に入らないディテイルとしては、まずすずめが登校中にイケメンを追っかけて学校行かないとか革靴靴下履いたまま水に入っていくとか、マサカと感じてしまってロスタイム発生。後半の80年代ドライブ音楽もオヤジサービスなんだろうけどユーミンでネコに言及とか誰得感。
多分苦手な人もいるが、好きな人にはとことん刺さる
先に言っておきますが、私は本作が好きです。しかし同時に、「この作品が苦手な人も少なからずいるだろうな」とも感じます。
『君の名は。』『天気の子』などのアニメ映画で知られる人気のアニメ映画監督である新海誠監督による最新作で、公開初日朝イチの回での鑑賞です。
結論から言いますと、「めちゃくちゃ面白かったけど、かなり際どいバランスだな」という感想を抱きました。エンタメとして非常に楽しめましたが、地震などの描写がリアルに出てくるため、嫌悪感を抱く方も少なからずいると思います。
新海監督は元々鑑賞する人を選ぶ独特な作風で、一部のアニメマニアに人気のあったクリエイターでした。(製作サイドからの指示で)作家性を抑えて広く一般向けに作ったのが『君の名は。』であり、これは日本映画史に残る爆発的ヒットを記録しました。次いで公開された『天気の子』は一転して監督の作家性と性癖がちょっと強めに出ており、結構人を選ぶ作品になっていたような気がします。
そして本作『すずめの戸締まり』は、どちらかと言えば『天気の子』に近く、監督の作家性が強く出ていました。しかしながら『天気の子』が苦手という方でも本作を「エンタメに寄せていて面白かった」と評価しているのをちらほら見掛けますので、「新海誠監督の作風(セカイ系)が苦手」という方でも意外とイケるのかもしれません。
地震の描写と新海作品特有の世界観という、観る人を選ぶ要素が二つも入っています。当然これらを許容できる方は本作を絶賛し、どうしても受け入れられない方は本作を酷評する。賛否両論が生まれやすい作品だと感じました。
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九州で叔母と二人暮らしをしている高校生の岩戸鈴芽(原菜乃華)は、ある日の通学路で端正な顔立ちの青年・宗像草太(松村北斗)に道を聞かれる。廃墟を探して扉を閉じると語る彼に興味を惹かれた鈴芽は、彼の向かった廃墟へと先回りし、彼の探していたと思しき「扉」を見つけた。その扉を開けると、そこには広い星空が続く不思議な空間が広がっているのだった。
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先述の通り、私は本作が好きです。非常に楽しめましたし、新海誠監督作品の最高傑作と言う方がいらっしゃるのも理解できます。しかし同時に、本作の地震に対する過激かつ直接的な描写に対して嫌悪感を抱いてしまう方がいらっしゃるのも理解できます。両者の気持ちが理解できるからこそ、肯定派と否定派が場外乱闘的に批判し合っている現在の状態はあんまり気分のいいもんじゃないです。そういえば、『天気の子』が公開された当初も劇中の異常気象と水害の描写、そして主人公の選択について、肯定派と否定派がバチバチに殴り合ってましたね。
新海誠監督は『君の名は。』から一貫して「災害」を描いてきた監督です。震災直後に公開された『星を追う子ども』を除けば、東日本大震災以降の作品では、必ず何かしらの災害が劇中の重要なファクターとして登場します。『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』は合わせて「災害三部作」と呼ばれます。過去のインタビューでも震災について語っているものも多くあるそうで、監督にとってあの震災は自分の価値観を塗り替えられた重要なターニングポイントとなったのだと思います。
前作『天気の子』の水害描写はかなり誇張されたフィクションっぽいものでしたが、私の確認できる範囲だけでも、水害描写に対して「不謹慎」との批判的意見が散見されたのを覚えています。本作『すずめの戸締まり』は、災害の描写が誇張少な目でリアルに生々しく描かれています。誇張気味に描かれた前作でも批判があったのだから、当然リアルに災害を描いた本作が批判を受けるのは予想できます。そのため、監督は批判を覚悟で本作の製作に取り掛かったんだろうと感じます。そして、これこそが監督の描きたかったものなのだと思います。
私個人の意見にはなりますが、批判意見の中に「災害の描写があるからダメ」という論点での批判をする方が少なからずいらっしゃいますが、その意見に対して私は否定的です。災害描写がダメなんだったら、震災を扱ったドキュメンタリーもダメになっちゃうし、被災者の方が後世に震災の経験を伝える活動もダメってことになっちゃいますよ。「災害描写あるからダメ」は、いくらなんでも極端すぎる気がします。
私は本作を、過激な震災描写も含めて評価します。本当に素晴らしい作品でした。
新海作品の映像は映画館の大画面で鑑賞することでより楽しめると思いますので、ぜひ映画館でご覧いただきたいですね。オススメです!
監督の器用さ・挑戦に脱帽
扱うテーマからして相当な覚悟を持って作った作品なのは想像に易いが、それでいてどの年齢層にも楽しめるような要素が散りばめられていて、本当に器用な監督だなと再認識した。
最後の常世(3.11)における、かつての人々の日常の回想、および現実の焼け野原を描いたあのシーンは、多少なりともコミカルなアニメーションであるこの映画において一番の挑戦だったはず。
正直賛否分かれるのは間違いない。
特に被災者が見ることは要注意とは思う。
ただ、中には救われる人間はいるだろう。
被災ではないが、思春期に母を亡くした人間が身近にいる私にとっては、すずめのあの言葉で感情移入し、涙を抑えられなかった。
芸術作品は得てして相当な思いがなければ鑑賞者には届かない。
この題材でこうも人の心を動かせるのはやはり作り手の思いがあってこそ。
中途半端に扱ったのであればそれこそ大批判を受けるだろうが、現に私は心を動かされたし、この作品には相応の覚悟を感じた。
おそらく今後批判コメントが多くなる作品とは思うが、まずは先入観なくフラットな目線で見てみることを勧める。
独特のセンスが光る作品でした
タイトルなし(ネタバレ)
新しい設定を考えるのって凄いですよねぇ~。発想が凄い!
そして音楽は昔のヒット曲が使われているので、それもまた良いかもしれないな~。
感動したなんて人は震災孤児を想って泣いてしまう人がいるのかもなぁ。
映像は本当に素晴らしい。最先端だと思う。
ただ、君の名はと比較してしまうと、やっぱ劣るので星4つかな。
以下ネタバレ
扉からミミズが出てくる。ミミズが倒れることによって地震が起きる。倒れる前に扉を閉めるとミミズは消えて地震発生を回避できる。
扉を閉める人を閉じ師と言って、宗像草太の家業だ。ミミズは普通の人には見えないから、閉じ師にしか扉を閉められない。
ミミズを抑えるのには2つの要石が必要だ。そのうちの一つを岩戸鈴芽が外してしまう。
鈴芽の外した要石は猫になる。ネットで有名になってダイジンと呼ばれる。ダイジンによって草太は椅子の姿になる。鈴芽の椅子に魂が吹き込まれるというのか。
鈴芽たちは宮崎に発生したミミズが倒れるのを防げなかったが、扉を締めた。その後、鈴芽たちは四国、神戸、東京、茨木へと移動していく。
東京では草太を要石としてミミズを抑えることに成功した。しかし、鈴芽は草太を救いたいと考えた。
鈴芽は東京で九州から駆けつけた叔母と遭遇。また、草太を心配して草太の家に来た芹澤と、鈴芽の実家のある茨木へ向かう。
鈴芽は叔母との二人暮らし。両親はいない。父は描かれていないから、シングルマザーなのかもしれない。鈴芽は東日本大震災で母親を失っている。
茨木の実家に着くと、自宅は津波で流されたため、更地になっている。鈴芽はそこでタイムカプセルを掘り当て、震災時の記憶を蘇らす。
茨木で扉の向こう側の世界に入る。震災当日の世界だ。街は倒壊し火事であたりは焼け野原だ。
そこで要石となった草太を救い、二人で新たな要石を使ってミミズの封印に成功する。
草太は鈴芽に再会を誓う。そして九州で二人は再会する。
感慨深い
日本しか作れないアニメーション映画ではないだろうか
世界に通用する響きが願いが込められている映画だと感じた
今で良かったこのタイミングで良かったそう思います
製作陣に嫉妬です
このクオリティで届けてくださってありがとうございます
あ、大画面で見てほしい…
出来れば大勢の観客と共に…
映画で見るべきみんなで見るべき映画です!
+追記
レビューを書いた後、他の方々のレビューを読みました
自分がどれほど震災の傍観者であったか思い知らされました
この映画を通して語られる論争は必要なものだと感じます
映画を観て、隣の人を見て、その人の痛みを垣間見て。
何と声をかけたら良いのか悩み、映画に疑念の矛先を向けたり、追記している私のように、映画に対する評価をもう一度見つめ直したり、傍観者であった自身を見つめ直したり。
映画史上No.1
心に残る
ストレートに感情を揺さぶる感動作
自分にとっては「天気の子」より低評価
本作は少し物足りないような作品だったと思います。
本作の低評価の理由
・少々ストーリーの展開が早くあんまり理解しづらいシーンがありました。
・確かに感動できるシーンは何箇所かあったような気がしますが前作の作品より感動できるシーンがなかった。
登場人物や新海誠ワールドはとても素晴らしかった作品だと思います。
自分は
「君の名は」3回
「天気の子」10回
と複数回見に劇場に足を運びました。ですが本作は半年位にもう一回見る位でいいかなと言うような作品でした。
前作は自分にとっては今まで生きてきた中で1・2位の作品でした。新海誠監督作品は公開日からDVD発売まで1年ぐらいあり自分では公開日に見に行ってから何かトラウマになってしまったのかもう毎日見に行きたくてしょうがないような気持ちになり複数見に足を運びました。
ですが本作はそういった感情にはなりませんでした。
声優や音楽は最高でした。新海誠監督は本当に選択がすごくうまいと思います!
現実よりもとても美しい新海誠ワールドは最高でした!
自分は新海誠監督作品大好きと言う感情で評価させて貰いました。ですが感じ方には個人差がありますのでやっぱり1度は見た方が良い作品かと思います。
ネタバレに注意!
地震をファンタジーに描いた作品
嘘だと言ってよ監督
私は細田守監督作品は初期から観ているし、ファンである自覚はある。
それでも今作は悲しくも擁護のしようがない。
はっきりと駄作と思います。
下記にその理由を記載します。
①主人公の言動に対する一般人の反応が不自然すぎる
今作では、地震の原因が主人公と相棒には可視化される設定で話が進んでいる。
周囲はその地震の原因が見えていないのだから、主人公の言動を訝しむ事になる。
だが、この周囲の反応があまりに軽すぎる。
それ故没入感を持てない。
子供椅子を持ち歩いて家出をする高校2年生が血相を変えて九州から東京へ向かう中で、「そうはならんやろ」と思う事だらけだ。
目撃者多数の中で、東京上空に女子高生を身一つで滑空させないでください。
最後は見ず知らずの大学生と女子高生とその叔母で東北旅行とはこれいかに。
展開を詰め込みすぎていて、少ないセリフで状況を説明しようとするシーンが多いのも気になった。
②猫。
序盤は気まぐれで根源的邪悪として働いていた猫が、終盤は寝返って主人公に感謝されるのは意味不明すぎる。
猫のせいで男は囚われてしまった訳であり、最終的にその解放を猫が手伝ったとて、無罪放免とは言えないでしょう。
しかもその過程で100万単位の人命を危機に晒している相手に「ありがとう」は正直ありえねぇです。
この点が納得感無さすぎて本筋に集中できない。
猫が主人公の直向きな思いに感化されたのはわかります。
それでも私はこれが動機として十分とは思えない。
③大学四年生と高校2年生の恋愛話は無い。
せめてもう少し近い年齢には出来なかったですか。
18と20歳ならまだ納得して見れました。
せめて人間愛として帰着させてもらえたらその方がいくらよかったか。
上記3点が主な感想です。
新海誠監督らしく、田舎も都会もその情景は非常に美しいアートワークでした。
それに免じて星を一つ半つけました。
個人的には非常にガッカリです。
設定は必ずしもファンタジーでなくて良いのです。
新海監督の描く、人物同士の精神の触れ合いからくる静かな美しさを私は観たい。
次回作が同じライン上にいない事を祈ります。
どうか。
日本縦断、緊急地震速報!
話題の新海誠の新作品、地元のシネコンでは、3つのスクリーンをフル稼働で、一日に15本も上映。夕方からの上映を観ましたが、そこそこ観客もいましたし、暫くは観客動員も、『ワンピース』に替わって、1位は揺るぎないんでしょうね。
物語は、主人公の女子高校生・岩戸鈴芽が、閉じ師の宗像草太と共に、不思議な別世界で、禍いを封じ込めようとするファンタジー・アドベンチャー。最初から息をもつかせぬ、迫力あるシーンの連続で、見る者を魅了する。
本作のモチーフは、日本各地に自然災害の恐ろしさを突き付けてきた地震。地震を引き起こす莫大なエネルギーを、おどろおどろしくうねり回る巨大な竜の如く描いている。そして、それを封じようと、日本を縦断しながら、草太と鈴芽が地震のエネルギーが噴出される『後ろ戸』となる扉を、戸締りしていくストーリー。その根底には、あの東日本大震災の悪夢が流れている。
また、そうした展開の中で、母を亡くし、叔母に育てられた鈴芽が、自分なりの道を、自分で歩み始めようとする成長の姿と共に、草太との淡く切ないラブ・ストーリーも描かれている。
映像美という点では、新海作品のこれまでの作品同様に、実写以上のリアルさと美しさは、相変わらず。都会や地方の街の風景、水、光と影の描き方などは、細部にわたるまで緻密に計算尽くされた描写に息を呑む。
物語の中で流れる挿入歌は、自分の世代にはドンピシャの70〜80年代の懐かしい曲はかり。これは新海誠の好みなのか…?(笑)
そして、声優陣も、なかなか素晴らしい。主人公の鈴芽には、『真犯人フラグ』の娘役を演じた原菜乃華が大抜擢されたが、確かに納得の声優ぶりだった。やや、張り切り過ぎの感じもしたが、鈴芽のキャラとしては、よかったと思う。また、草太役の松村北斗は、響く爽やかな声で、声優としても十分に素晴らしいものがあると感じた。そして、脇を深津絵里、神木隆之介、染谷将太、伊藤沙里等、豪華な俳優陣が務めており、主役の2人を引き立てていた。
但し、展開的には、最初から最後までずっとハイテンションでクライマックスの連続のため、物語の起承転結が薄く、正直、観終わった後、ドッと疲れを感じた。一緒に観た息子も同じ感想を漏らしていた。(笑)
もう少し息つくシーンも織り交ぜながら、段々とクライマックスに向かうような展開の方が、より感動的なラストになると感じた。その点で、個人的には『君の名は』を超えることはできなかったように思う。
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