「監督の妄想が…… (過ぎる…)」すずめの戸締まり えーじさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の妄想が…… (過ぎる…)
この作品は海外の方が明らかに評価が高い…日本人には未だまだ3.11の傷はあまりに深く癒えていない、、、其れ(地震)自体をメインにして物語りを語るのは抵抗がある人が多いのも事実。其れをフィクションにする事自体に嫌悪感を抱く者もいるだろう。
我々日本人は地震大国の土地の上に住んでいる。だからこのテーマに対してどう物語りを展開してもセンシティブになる。これは日本に住んでいれば仕方の無い事で此れ(地震)を切り離す事は出来ない。彼(監督)はこの点を甘くみた感は否めない。例えこの作品が鎮魂と再出発の物語りであったとしてもだ。作品は質が高く素晴らしい出来なのに勿体無いのである。
映像は美しく見事であったが、ひとつどうしても気になる場面がある。草太が登場するシーンで鈴芽の隣りを横切る時の草太の髪の毛が纏まって描かれているのが凄く気になった。あのシーンだけは髪の毛を一本一本丁寧に描くべきであった。大事な出会いの場面でもあったので。そうしないとその後の鈴芽が追い掛けて行くシーンに繋がらないし説得力にならない。だって女子高生が見ず知らずの者とすれ違って一言二言会話しただけで知らない年上の男性を追い掛けますか?これは明らかにこの監督の妄想の世界だけで実際には絶対に無い状況では⁇たとえそれが一目惚れであったとしてもだ。このオタク特有の妄想感があまりに非現実的なのだ。やっぱり此処の所(出会いのシーン)は非常に大事でありもっと説得力を持って描いて欲しい部分であった。
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