「深掘り」すずめの戸締まり ひらひらさんの映画レビュー(感想・評価)
深掘り
うるっとくる場面はあったし、切ない音楽も素晴らしかったです。
東京の場面で終わりかと思ったら、そこから先まだ続きがあったのは良かったです。
終わり方もきれいでした。よく「明日への扉」「人生の扉」みたいな表現があるかと思いますが、鑑賞を通じてそんな言葉を思い出しました。
「いってらっしゃい」「ただいま」
そういう温かい言葉のやりとりが起きる扉を、人々の生活をめちゃくちゃにするであろう地震に対するメタファーとして描かれてるような気がしました。
とりあえず、ハズレではない良い映画だと思います。
本題
ただ、ちょっと浅い感じがしました。
【なぜヒロインは、出会って間もない男の人を好きになるのか?】動機がよく分からない。結局、この旅は男を助けるための旅?
ロードムービーなので、出会う人たちの生活感や人生に触れてほしかった。
地震は、そこで暮らす人たちの生活、家族、人生全て壊してしまう。
地震の恐ろしさってそこだと思います。
出会う人たちの生活、人生に触れることで、ボロボロになりながらも必死に地震をくい止める動機に繋がると思うので、そこを深掘りする描き方もできたんじゃないかな。
もしくは、地震で壊滅してしまう場面もあっても良かったと思います。
もちろん、人々を助けるためなんて立派な動機より、自分の大事な人を助けるためという個人的な動機の方が、人間らしくリアリティがあって良いと思います。たしかに、10代ですし、初めは一目惚れでも良いです。しかし、そこからどのような過程で、本気であの男のために行動をとるようになるのか。そこの心境の変化が描かれてると、より良くなっていたと思いました。
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