「自然の美と怖さを同時に描く」すずめの戸締まり takaさんの映画レビュー(感想・評価)
自然の美と怖さを同時に描く
前作「天気の子」「君の名は」「言の葉の庭」は
世界観が続く一種のユニバースでしたが、
本作は完全な独立作。
新海節とも言える夜と昼が混じり合う星々が煌めく空の描写は相変わらずの美しさで、
何より本作はその世界観はこの現世とは別世界として表現する。
主人公のすずめはある日、青年と出会うことで
日本を救う旅に出ることに。
本作は「震災」をテーマにそれは厄災で
扉から溢れる厄災を閉じることで「震災」を防ぐ。
雰囲気はジブリ寄りでネコ、イスと共に進むロードムービー。
またところどころに鍵を閉める、開けるというシーンが挟む。
この開閉にはすずめの意志を感じるシーンが印象的。
どんどん日本を北上することですずめの過去を知り
更にすずめの子供時代に体験したものが日本人にとって
忘れられないことであることが判明する。
ある人はこの事柄をネタにすることは禁忌として
扱う人もいるだろうが、日本では過去に原爆を落とされた作品が
多々生み出されていることも忘れてはいけない。
新海誠作品は数多い日本の映像作品のように
説明的でない演出方法は好感が持てます。
よく映画を見て「よくわからない」という意見が
多く聞きますが、それを見て「感じる」ことが大切で
子供時代に読み取れなくても、年齢を重ねるとわかることもある。
すずめと同世代なら感じることもあるし、
親世代なら保護者側に共感を得ることでしょう。
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