「今まで観た映画で1番感動した」すずめの戸締まり ロングさんの映画レビュー(感想・評価)
今まで観た映画で1番感動した
「君の名は」「天気の子」に続いて新海誠監督とTOHOシネマズがタッグを組み災害三部作の制作の最終作。今回はちゃんと災害と向き合わせるためか劇中のRADWIMPSの歌詞付き曲は無かったが、それが作品の世界観の邪魔をせず今回は無くて良かったと思った。
音楽関係で言えば、今回それぞれ立ち寄る地域で後ろ戸を閉めていくが、そこのBGMも神秘的な感じと災厄の底知れない恐怖を煽るような鬼気迫る感じでとても良く、思わず見入ってしまうような感じであった。特に東京上空は神。
また、鈴芽の境遇にも心くるものがあり、それゆえの環さんの心配も痛いほど分かるため物語的にも素晴らしい。
また、災害に人間関係などと重いテーマだったのを道中の人だったり、草太が椅子になって走りまくるというコミカルな描写で上手くバランスを取っていたのが良かった。それによりシリアス展開のギャップが生まれて作品にのめり込みやすいと個人的には感じた。
改善点としたら、新海監督はファンタジー系に慣れてないのかもう少しミミズを倒した時の描写(特に東京や常世)をもっと派手にした方が良かったのではないかと思う。ミミズのほんの一部しか出てない扉を閉めた時にはあんなに弾け飛ぶのに、全身が出てくる東京やミミズの本拠地である常世で要石を刺す時も割とパッといなくなった印象。
もう少しタメを入れたり、エフェクトを派手にした方が良かったのではないかと思う。
また、廃墟の学校を閉じた時にガラスが割れると思うが、もっと勢いよくバーン!と鈴芽の髪や服が揺れたりなどの勢いを表したりしたら押さえ込んだ感というか戦いに勝利した感じを出してくれると良かった。
せっかくBGMがとても緊張感溢れる素晴らしいものだったのでそこは勿体ないかなと思った。
でも全体的に面白く、「君の名は」のような難しさは無く、「天気の子」の様な意見が分かれるラストでもない。ただただ草すずのカップルが推せる良い作品でした。