「芹澤くんと曲の趣味が一緒」すずめの戸締まり RAIさんの映画レビュー(感想・評価)
芹澤くんと曲の趣味が一緒
『芹澤くんと曲の趣味一緒だったさ!』
見終わった後友達に感想伝える時に出る言葉これでした。
最高だった!めっちゃ面白かった!ではない
いやフツーに面白いんだけど、なんでいうんだろうなあポスト宮崎駿と言われつつも宮崎駿を追い越せる姿が想像できない新海誠の作品のままといった感じでした。
ストーリーは全国各地にある後ろ戸と呼ばれる地震を引き起こす魔物が出てくる扉を閉めに行くストーリーだったから新海誠作品の最大の強みのリアルな街並みが存分に堪能できました。特に東京を描かせたらお手のもの。
で、今回は地震というのが題材のひとつになっていて、すずめの生まれ故郷は実は東北で、幼い頃に震災を経験してたってのが分かるんですけど、恐らくこの作品観てる人は途中でそれが簡単に推測できちゃって、あんまりそこの部分明かされるところで驚かないと思うんですよね。
しかし、僕めっちゃ驚きました。すずめが昔の自分の日記めくってって例の黒塗りページが映った時の日付、3月11日。ここのシーンで僕は「ああ!すずめは幼い頃震災経験してたんだ!それでお母さんいないんだ!だから死をそこまで怖がってなかったんだ!」って。
ではなぜ僕はあのストーリー展開から容易に推測できるはずのこの展開が分からなかったのか。
それは東京から芹澤さんの車ですずめが環さんと出発するシーン。まずあそこで北の方に向かって7時間くらいかかると言うことが分かり、そこからルージュの伝言が流れるんです。
まずルージュの伝言のイントロ最高すぎ、魔女宅思い出しちゃうし。僕の頭の中懐メロで埋め尽くされました。
そして!東京から車でずーっとドライブして北に向かって行く。ドライブマイカーじゃないですか!しかも九州から始まり全国各地回ってくし、北海道来るんじゃね!僕北海道に住んでるもんで、新海誠がやっと北海道描いてくれるんだと思ってテンション上がってニヤニヤしちゃってたんです。
つまり、神戸とか東京とか震災があった場所がたくさん出てきたのにも関わらず、ルージュの伝言などの懐メロで思考停止からのドライブマイカーのオマージュだと思って勝手に北海道を期待。というわけです。
というわけで僕はあの日記のシーンで安易に驚愕してしまったわけです。なので結果とても楽しめました。
PS 終始気になってたのが、すずめの髪を光らそうとしてるカットがいくつかあって、僕にはそれが白髪にしか見えませんでした。