「猫を追いかけて好きな人と日本旅行【考察あり】」すずめの戸締まり shionさんの映画レビュー(感想・評価)
猫を追いかけて好きな人と日本旅行【考察あり】
震災がテーマ。
震災に遭った人達へ、未来は明るいことを伝える映画。
とにかく映像美。
ル〜ル〜ルルルルの音楽が良かった。
新海監督は、車での旅とか自転車一生懸命漕ぐとか好きだな。走ってるシーンも多かった。
懐メロはちょっと古い。オープンカーに乗るようなイケてる大学生がドライブで流すとは思えない。
事情を知らない人からすれば、猫を追いかけて家出して日本旅行しているちょっとやばい女子高生。(しかも好きな人と)
ダイジンが後ろ戸を開けて回る悪いやつなのかと思っていましたが、実は協力して案内してくれているだけでした。喋れるのだから言ってあげれば良かったのにと思います。言葉に制約があるのかもしれません。
見た目、大きさ、力からダイジンは神様になって年月がまだ浅いのではないかと思います。
ダイジン出現時の考察
要石から解放してくれた鈴芽を好きになる。→おそらく要石を抜いた人が次の要石になるので、鈴芽が要石の役割を引き継ぐ。→ダイジンは鈴芽を要石にしたくないので邪魔な草太に要石の役割を移す。という流れで草太が要石になったのではないかと思います。
ダイジンが草太を椅子にしたのはただのイタズラ的な感じでしょうか?
椅子ということに何か意味があるのか、新海監督がただ思いついただけなのかは分かりません。
椅子の脚が一本欠けていることに何か意味があるのだとは思いますが、最後まで観ても何なのか分かりませんでした。
サダイジン(黒猫)が叔母さんになぜ乗り移ったのかも分かりませんでした。鈴芽は言い過ぎだと思いました。
サダイジンがどうやって抜けたのか考えましたが、大きくて力の強い神様だと思われますので、自分で抜け出ることができたのではないかと思います。地震という力の波動が影響したのかもしれません。
サダイジン登場の考察
いつまで経ってもダイジンが要石に戻って来ないので怒る。→ダイジンを連れ戻すために地震の力を利用して抜け出る。→ダイジンと対面し対決して勝つ。ダイジン諦める。→要石として戻るためにダイジンを見張りながら鈴芽に付いてくる。
ダイジンとサダイジンには大きな力の差があると思いますので、前述の通りダイジンは若い神様、サダイジンは成熟した神様なのだと思います。
ラストはディズニー的な感じで愛のキスで草太を目覚めさせ、ダイジン達を要石としてミミズに刺して解決します。サダイジンはミミズに対抗していましたが、ダイジンは為す術もない感じでした。
全体を通してダイジンは鈴芽が大好きで一緒にいたかっただけなんだと思います。なのに鈴芽は酷いことばかり言い、地面に叩きつけようとした時もありました。
それでもダイジンは健気に鈴芽の側で協力し、最後には悲しんで困っている鈴芽のために草太と替わって要石に戻ります。(草太を抜くのを手伝って自分が要石の役割を引き継ぐ。)とても可哀想でした。
私は動物が大好きで猫も3匹飼っているのでちょっと許せなかったです。
ダイジンが要石に戻る際も鈴芽は「ありがとう」の一言だけ。もっと何かあってもいいんじゃないかと思いました。
子供の頃の鈴芽に椅子をあげたのはまさかの未来の自分でした。ここにくるまで草太だと予想していました。草太と会ったことがあるようでしたが、この時に未来の鈴芽の横にいるのを見かけた程度だったのですね。よく覚えてたな。
草太が戸締まりしながら戻ってきて鈴芽が「おかえり」と言って終了します。その後ハーピーエンドが予想されます。
恋愛ストーリー的にはいい感じでした。
新海監督の描く女性は強いですね。今回の鈴芽はちょっと言い過ぎる場面も多く、優しさをあまり持ち合わせてないようでした。叔母さんとダイジンに対して酷すぎました。恋愛一直線で周りが見えてない感じでした。
震災がテーマで地震速報が鳴りまくるので、観ていられない人も多いのではないかと思います。