「新海監督のルーツに触れた気がした」すずめの戸締まり minorさんの映画レビュー(感想・評価)
新海監督のルーツに触れた気がした
まずはじめに、これは自分の勝手な思い込みかもしれない。
新海監督の作品は風景描写に引き込まれる。過去に何かのインタビューで、「田舎で育って、人のいない風景が好き」みたいな記事を目にしたことがある。その記事を読んだせいか、自然に対する思いが強い監督なんじゃないかと感じるようになった。
おそらく地震をテーマにすることには監督として特に覚悟が必要なことなんじゃないかと思う。でも、映画を観終わったあとでは「なるほど、これは新海監督にしか作れない。何かしら特別な思いがあるからこそこのテーマと向き合って来たんだろう」と感じた。ただの娯楽としてアニメと向き合えば何も感じられずにいただろう。でも災害大国ともいうべき日本において、自然はとても脅威で、見慣れた日常でさえ一瞬で変えてしまうほどの力がある。なぜ自然災害が起き、人はそれに向き合い、なぜ人は人と協力しないと生きていけないのか。この世界はみんなの手で作られて、支えられて、時には人の犠牲の上で生き、多くのことを学びながら成長していく。だから、目を逸らしてはいせない作品だと感じたし、新海監督の中で一番メッセージ性のある作品だと感じた。
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