「行ってらっしゃい!」すずめの戸締まり 9さんの映画レビュー(感想・評価)
行ってらっしゃい!
命知らずのすずめ。死ぬのなんか怖くないと言いつつ それどころか死に場所を探しているように見えました
それは 家族を人に「うちは放任主義」と言ったように、裏腹であり願望みたいでした
終末でなく 終末のその後の世界。生きていく上で将来のことを考えながらも、現実感の無い日常にゆるやかに絶望していたのかもしれません
イケメンの人が「本当に大切な仕事は人に知られない方が良い」はどこか自分を納得させるようでした
子供の頃からずっとそうやって生きてきたと窺い知れます
そこで目指している教員ですが。最初は日本中を飛び回るのに教師なんか舐めてんのかな?と思いましたが。ここで教員のチョイスは 資格の難易度や社会的立場 自分より他人 などが絶妙にバランスの取れた選択だったと後になって気付いた次第です。 弁護士や会計士や医師ではないんですよね。扉の閉じ師に誇りや責任や覚悟を持ちながらも、ウーバーイーツしながらとかではなく 自分の人生や可能性も諦めきらない
他人に褒められたいわけではないけど、大切な人には認めて欲しい。自分と周りの違いを受け入れて、その上でどう振る舞うか
彼の「生きたい。死にたくない。」は そのまま別の人生を歩んでみたいに聞こえました
家族と別れる時ですら、きっと そんな気持ちにならなかったんだろうなと思います
きっと二人のパーソナリティは、孤児や伝統職人だけでなく それこそ大昔から若者が抱いている普遍的な想いだと思います
自分よりも大切な人ができた二人は、自分のことも丁寧に扱うようになるでしょう
今までの生き方とまだまだ向き合うことになるでしょう
自分が一度入った扉からしか入れないなら、フタをしてある過去と折り合いつけられるのは自分だけでしょうか?
普通の恋人達のようにはいかないでしょうが、自分たちに合った付き合い方を見つけて欲しいと思いました