劇場公開日 2022年11月11日

「詰めの甘さもあるけど、全体としては良作」すずめの戸締まり Bratscheさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0詰めの甘さもあるけど、全体としては良作

2022年11月30日
iPhoneアプリから投稿

「君の名は」が大好きだった私。
「天気の子」は、ちょっと期待していたものと違いました。
そして、今回。
「すずめの戸締まり」は、けっこう楽しめました。

「天気の子」は、大ヒットした前作の成功体験に縛られていた気がするのです。
そういう意味では、「君の名は」監督の次回作に私が求めていたのは、今作のような方向性だったのかも知れません。

ただ… 映画館ジャックと揶揄されるほどの上映体制を敷いている割には、ライトな仕上がりという印象かな。

また、世界観やキャラ設定が確立しきっていない感じも否めない。

「え?なんで?」とか「そういうキャラなんだとしたら、あの行動はおかしくない?」というハテナが残りました。

とはいえ、全体としては楽しみましたし、私の理解が追いついていないだけなのかも知れません。
もう1回観たら、感想が変わるかも。

あとは、震災の取り扱いについて。
いろいろ指摘されているのは小耳に挟んでいたので、
どうかなとは思っていたんですけど…
特段、ショッキングなシーンがあるとかではないんですね。

でも、幼い日のすずめが母親を探すシーンは、地味に被災者の心を抉るのではないかとは思いました。
私のように、関東で被災して「東北の惨状は報道で見ただけ」の人間でも、感情を乱暴に揺さぶられた感覚がありました。
これについては、監督の責任を追及すべきとは思いませんけどね。シーンとしては普通のものだし、ストーリーに必要なものですから。他にやりようがないと思う。
現実の震災が悲惨すぎたが故に、必要以上に聴衆を揺さぶっているだけかと思います。

Bratsche