劇場公開日 2022年11月11日

「新海流ロードムービー」すずめの戸締まり ぱおうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0新海流ロードムービー

2022年11月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

予告編では、コメディタッチの軽妙なファンタジーと誤解していたが、鑑賞してみたら、新海誠監督作品として期待に応える内容だった。
「君の名は」や「天気の子」と通じる、天変地異から人々を守る少年少女、というテーマは共通だが、本作の設定はリアルで重い。
そこを、ストーリー上必然性のあるロードムービーにまとめたところが秀逸と感じた。
相変わらずの映像美には惚れ惚れするが、ストーリーに焼き直し感を持つ人もいるのではないかと多少の心配もある。
街や田舎の風景や、懐かしい歌謡曲など、日本人には故郷を意識させる仕上がりになっていたのではないだろうか。
次作にも期待したい。

ぱおう
みかずきさんのコメント
2022年12月14日

こんばんは、ぱおうさん。
みかずきです。

12/12(月)19:30~NHKクローズアップ現代に新海監督が出演し、
すずめの戸締まりと東日本大震災について語ってくれました。
映画づくり、創作に対する新海監督の真摯な姿勢がよく理解できました。
新海監督の表現者としての覚悟を感じました。

次回作に期待します。

-以上-

みかずき
ぱおうさんのコメント
2022年11月29日

みかずきさん、ご無沙汰しておりました。
しばらく劇場鑑賞から遠ざかってしまっていましたが、地元劇場の優待制度終了で、11月中に使い切らなければならないチケットが2枚残っていたため、「カラダ探し」に続いて本作を駆け込み鑑賞しました。
本作は、おっしゃる通り、設定にリアルな側面があって、フィクションの世界に浸れない点は、「君の名は。」「天気の子」と違いますね。
私は出身地が神戸の近くですので、ロードムービー展開が神戸まで来たところで、ようやく冒頭シーンの意味と、全体の流れに気づきました。
映像が美しい分だけ、当事者にとっては残酷さが増すのでしょうね。神戸編は遊園地のシーンでしたので、リアルさをさほど感じずに済みました。もし、倒壊した高速道路や、火災で消えた街だったなら、みかずきさんに似たつらさを感じたかもしれません。私が高校生の頃まで過ごした故郷の街並みも、阪神淡路大震災以来すっかり変わってしまったのです。
受け止める方の背景次第で評価は分かれるのかもしれませんが、私の場合は、最後に感じた郷愁のような後味が良かったので、高評価気味になりました。
新海監督は、自分自身の過去のヒット作への期待と戦わねばならない厳しい立場に置かれていますが、あえてファンタジックな展開への多数派ニーズに折り合わないで、作りたい作品を貫いたのではないかと想像しています。
次回作がどうなるか、楽しみにしようと思っています。
それでは、また宜しくお願いします。

ぱおう
みかずきさんのコメント
2022年11月28日

ぱおうさん
みかずきです

お久し振りです。
お元気ですか?

本作、御覧になったのですね。
新海監督の美意識の高い映像美が見事な作品でした。

私、仙台で大学生活を過しました。
カミさんの実家は福島です。
東北地方と縁があるので、東日本大震災のシーンは、複雑な気持ちでした。
現実社会で起きた生々しい震災を敢えて取り上げなくても、
災害と人間というテーマは観客にアピールできたと感じました。
フィクションに徹して欲しかったです。
少なくとも、予告編、パンフレットなどで、東日本大震災を取り上げることを十分に事前告知すべきだと思いました。
今なお、心の傷が癒えない被災者の方はいらっしゃると思います。

フィクションとしては面白い作品でしたが、
現実社会に触れないパーフェクト・フィクションにして欲しかったです。

では、また共感作で交流しましょう。

-以上-

みかずき