「私たちは映画館で、東日本大震災を共有した」すずめの戸締まり ホラー好きさんの映画レビュー(感想・評価)
私たちは映画館で、東日本大震災を共有した
未曾有の大災害ー東日本大震災 から、11年。街が黒い津波に飲み込まれた映像を、鮮明に覚えている。
多くの人は日常の中で、遠ざかりつつある記憶。
でもこの映画の観客は、同時にあの震災を改めて思い出し、共有したことだろう。
映画後半で、すずめが被災地の“場の記憶”を読み取る。
あの瞬間が来るまでは、私たちと同じように暮らしていた人たち。
全てを奪われた。
親も子も、家も何もかも。
自分と同じ年頃の人も、幼子も、動物達も全て、黒い津波に飲み込まれた。
彼らの生きたであろう、何げない日常シーンを見た時に、涙があふれて止まらなくなった。
直接的な描写はなかったけど、
震災孤児である、すずめを通じて、その心の傷を共有したはず。
映画の映像やストーリーだけでなく、
このことを私たちに改めて思い出させてくれたこと、
後世に残してくれたこと、
何より、それを評価したい。
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