「期待の大きさとの落差が」すずめの戸締まり さ。さんの映画レビュー(感想・評価)
期待の大きさとの落差が
新海誠作品は、
現実味のあるリアルを描いきつつファンタジーなバランスが良いのだけど、
今回は、実際にあった震災を地名まんまで使うとなると、いくらファンタジーとしたとしても、いろいろ無理が見えてきて気になってしまった。
その最たるものが、震災は起きてしまってる世界になっていること。本質は救えてない。(人は死んでないのではなく描いてないだけ)
実際の史実だから震災の被害はファンタジーとしても変えられない。君の名はのように、災害を逆転のハッピーエンドにはできない。
で、作品が救ったのは震災後の地震という描写。
実際には起きてない地震をさも救ったかのように締めたこの作品は、実際に震災で被害にあった人を思うと、ないよなあと思ってしまう。。
あとすずめの心理(恋心)もちょっとついていけなかった。出会ったときがアレなので、ただの一目惚れの延長で命貼るか?と思ってしまう。イスにはなってるけど恋心には展開しないよなあ。。イスにキスするのも、とってつけた感じで設定が薄っぺらい。
やっぱり比べちゃうけど、君の名はの場合は、過去に会っていた想いと身体が入れ替わった体験があったからこその、お互いが引き合っていく、と自然で見事な展開だった。
と期待値高かっただけに残念。
あと地震速報シーンが多すぎる。ここまで使うのかと。
地震は日本では現在進行形であり、度々大きな被害を及ぼす。地震速報がなる度に緊張が走り、現実世界に引き戻される。
要石が守ってるなんて思えない状況、日本に住んでいればそんな事、誰でも感じている現実世界。
地震を題材にこの作品は何を描きたかったのかが見えない。
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