「LOCK」すずめの戸締まり いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
LOCK
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画像の緻密さ、写真のような背景は健在、新海節全開といったところである。特に"虹色な夜空"なんて一体どこでどの時間に観れるのかと信じられない程の自然の芸術を多用している点も然り。
只、所謂"死者の漂う場所"という架空での空だから当然と言えば当然なのだろう。
主人公の女子高生のロードムービーであり、里帰りでのクライマックスになるのだが、オープニングの伏線回収は、そこまでは注目できなかった。勿論感動的カタルシスはあるのだが・・・
それよりも、訪れる土地でのそれぞれのホストキャラ(旅館の娘、スナックのママ、閉じ師?の祖父)等が単に親切心だけではなく、キチンと労働という対価を主人公に払わせ、同時に素直にそれに預かる主人公の繋がりに、今迄の監督作品の進化を感じ取れた。
必要以上のカットの多さである、鍵を掛ける映像も、まるでサブリミナル効果のように、"鍵を掛ける、解く"という日常性を印象づけることで、ファンタジーのシーンを高く浮き上がらせる効果も感じられた。 約束されたヒットメーカー作品ということで、今後の解釈は多数のメディアによって明かされていくだろうから、その読み解きに注視したい。初見の感想とすれば、総じてサンプリング的な印象だったなぁと・・・
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