劇場公開日 2022年11月11日

「確かに物語は面白く、映像も音響も迫力あり」すずめの戸締まり たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5確かに物語は面白く、映像も音響も迫力あり

2022年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

TOHOシネマズ日比谷にて鑑賞。

確かに、新海誠監督のアニメーション映画なので、物語は面白くて、描画も美しい。
九州に住む高校生すずめの日常を描きつつ、非日常世界にスッと入っていく流れも上手い。
普段の日常生活では見ることができない風景を見られるのは、本当に映画的であり、こんなにもSF的ストーリーだとは思っていなかったので、不思議な世界を堪能できて良かったと思う。

すずめという高校生が、ある青年から「この辺に廃墟はありますか?」と聞かれたことから、青年が探していた廃墟、そこにある扉、扉を通して見える世界、青年は扉に鍵をかけて旅する“閉じ師”という不思議な男、椅子、ダイジンと呼ばれるネコ、みみずと呼ばれる凄いウネリ、地震などなど盛りだくさんのエピソードが綴られる。

音楽も昭和歌謡曲が多数使われていて、オジサンが観る分には「懐かしい」…(笑)
この映画はSF要素が前面に出てくるので「すこし、ヱヴァンゲリヲン新劇場版に似ているなぁ…」などと思っていたら、昭和歌謡曲が次々と流されて、「やっぱり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の影響?」などと思う。

女子学生すずめが、通学で海が正面に見える坂を降りていく場面は、七里ヶ浜の坂の上にあった食事処((134沿いではない)珊瑚礁、お魚亭、TONTONなど)で食事した後に国道134号に降りる坂を運転しながら見える海のような感覚で、あの感覚は好き。……元鎌倉市民(笑)

ただ、九州から四国の後が、神戸→東京→宮城という大震災の発生場所を巡るロードムービーというのは、ちょっと微妙だった。
大震災を描きたいのであれば、通過点のような描き方はしてはいけないのではないか?……と思ってしまう。

確かに面白い映画で、映像も音響も迫力あった作品だったが、観終わって、いろいろと疑問に感じるところが多い気がした。

<映倫No.123407>

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たいちぃ