「よかった」すずめの戸締まり 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
よかった
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異世界で巨大ミミズが暴れると大地震が現実世界に及ぶ。それを女子高生とイスになった青年が防ぐために懸命に取り組むファンタジー作品。
親戚里親映画という側面もあって、主人公はおばさんに我が子のように育てられている。主人公は家出して、日本を縦断の旅に出ていて、看護師のおばさんを心配させる。主人公が行く先々で素晴らしく親切な人に出会い、お世話になる。非常に都合がいい展開で、悪人が一人もいない。
おばさんがおかしくなって主人公に「あんたのせいで私の人生は犠牲になった」ということを言う。僕自身里親を好き好んでしており、おばさんとは条件が全く違うのだけど、そんなふうに思ったことは一度もない。犠牲どころか救済されている。自分がもし若くて、自分のチョイスでなく子どもを養育するケースだったらそのように感じることもあっただろうか。
猫が憎らしく、なんだこいつと思っていたのだけど最終的に悪い猫ではありませんでした、というのが言い訳臭い。
主人公とイスになった青年、すごいイケメンなのだけど、二人のきずなが強すぎて、絶対結婚しなければおかしい、今後他の恋愛が許されない雰囲気だ。美男美女で人格者のカップルなのでとてもいい。
4歳の自分に高校生の主人公が非常に前向きな言葉で語りかける。それは、人に愛されており、その結果としての現在があるから言える言葉だ。しかし、誰からも愛されず見向きもされないまま育っている人にはきつい言葉だ。
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