「ぞわぞわした」すずめの戸締まり ツネさんの映画レビュー(感想・評価)
ぞわぞわした
・導入が急展開すぎるような気がしたけど、中盤くらいになるとあれぐらい早い展開じゃないときついかもな、とも思った。朝起きてすぐにイケメンに一目ぼれっていう、とても現実的とは思えずついていけるかなぁと思いつつ学校での日常かと思いきや早々にイケメンのために廃墟へと向かうすずめと必死なイケメンとかを観てたらやっぱりこの映画ついていけなさそうだなぁと負っていたら、地震を防ぐために陰ながら奮闘しているという使命の展開ですずめが彼氏と市民との命を天秤にかけられた辺りから、思ってたのと何か違うなと思い始め、ラストは東日本大震災への救済の願いへと展開していって、映画だけに収まらない現実との感情のリンクで驚きと感動でぞわぞわして泣けた。
・細かい所の疑問があったけど、すさまじい勢いで何か納得させられてそれも何だか気持ち良かった。映画は見始めたらとりあえずは最後まで観る前提だからこその展開という感じもして凄いなぁと思った。ラスト、幼年時代の自分と再会っていうのかしたのが、何で時間軸過去に?とすこし思ったけど、それまでの展開の説得力があってか泣けた。パッと終わったのも良かった。
・冒頭で出たコンクリートの建物の上に乗っかった漁船のシーンであぁ、これは夢なんだ、と思ったら、あれは現実にあった事だったんだと思い、なんともいえない気持ちになった。あとは沢山のいってらっしゃいが切なくなって泣けてきた。
・閉じ師の草太の父親とかどうしたのかなぁと思った。アパート暮らしで実家は由緒ある家系のような感じもあっただけに謎だった。隔世遺伝のみなのか、選択してやっているのか…細かいけど。
・ダイジンって名前はネットで誰かが決めたような気がしたけど、実際はどうだったのかがよくわからなかった。草太もダイジンって言ってたので偶然、合ってたのかなとも思った。後半になって左大臣?っていう巨大な猫も現れたけど、あれは東京にいたダイジンって事で良かったんだろうか、にしてはなぜあんなに大きさが違ったんだろうと思った。あとは中盤でダイジンはすずめの事が大好きみたいだったけど石から戻したのと煮干しをあげただけに見えたけど、それだけでそうなったのか?少しわからなかった。
・立ち入り禁止区域の塀が簡単すぎないかと思った。もっといかついバリケードとか貼ってそうだなぁと思った。
・廃墟に思いを馳せないとミミズを抑えられないっていうのが凄く良かった。場所や物にも人の感情は乗っている宿っているかもしれないってて事を考えさせられる。そして、とても切ないのも良かった。
・後半に出てくる芹澤とのドライブが面白かった。草太が椅子にされててることで終始、悲壮感などを感じていたのであの辺が唯一気楽に見られた。芹澤も闇深いなぁとか見てる側の感想を言ってて一歩引けて良かった。
・サービスエリアでおばさんがすずめに本音を語ってぶっ倒れたけど、あれが左大臣のせいなのか急に感情が昂ったのかが謎だった。あれだと左大臣のせいっぽくて悪い奴っぽかったけど逆だったので余計に謎だった。あと左大臣でかすぎるのに二人とも普通で驚いた。
・宮崎から福島まで、どういったルートでどうやって行ったのかを細かく描いててとても良かった。フェリーが出てるんだ、とか勉強になった。道中の出会いの感じも。冒頭の学校の同級生二人が長く何とかするのかと思っただけに。お金はどうしたのかと思ってたら後はから電子マネーって言ってたけど、もうちょっと早くそういった処理をしてるとこを観たかったかもと思った。
・結果的に皆が幸せな感じになれたようで良かった。