劇場公開日 2022年11月11日

「「天気の子」以上「君の名は。」未満、だけど」すずめの戸締まり 趣味の映芸さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「天気の子」以上「君の名は。」未満、だけど

2022年11月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

大切な人、大切な場所への人間の普遍的な想いをテーマに、盛り盛りの設定とみんな大好き要素でふわっと包み込んで上手いこと仕上げた、という印象です。

ある程度の年齢の日本人なら誰でもわかるあの出来事を、どうしても描きたかったのであろう新海監督のお気持ちはしっかり伝わりました。

ただ、作品のテーマ、恋愛、ロードムービー、人間ドラマ、と盛り盛りだった設定をお恥ずかしながらこちらの理解不足のせいで自己消化できず、作品に没頭できなかったのは残念でした。

具体的には、何で椅子?はまあいいとして、神様っぽい能力があの時だけだったり、そもそも名前がダイジンってうーんだし、謎が多すぎる宗像家の仕事(1人であんなに頻発する事象の対応とか無理ゲーすぎるでしょ)とか心理描写の掘り下げ少なくいきなり寝起きに◯◯しようとし出したり、後半唐突に登場したあのキャラの片割れとかetc…

色々気になることを書いてしまいましたが、昨今では希薄になってきた「映画館で映画を観る」という価値を十分に味合わせてくれ、鑑賞後は多くの人に満足感を与えてくれると思います。

新海監督作品らしさ全開の圧倒的映像美はいわずもがな、誰しも推しが見つかる魅力的なキャラクター達、重いテーマを尖らせすぎない演出の匙加減、声優さん達の演技、迫力の音、感情をゆさぶるBGM、胸にささる歌、全て素晴らしいエンターテイメント体験でした。

心が純粋なお年頃に見たかったです(涙)

南風