「震災をテーマにした前向きなストーリー」すずめの戸締まり しましまさんの映画レビュー(感想・評価)
震災をテーマにした前向きなストーリー
登場人物がみんな温く見てて嫌な気持ちにならない映画だった。主人公に関わる人がみんな良い人であることや、過去の回想(その土地の人々の思い出)も良い部分がピックアップされており、自分の日常と照らし合わせて考えたら前向きになれるような感覚になった。
震災をテーマにしているだけあり、あの頃よく目にした被災地がリアルに描かれていた。地震速報の音が怖いって感想をsns上で多く見かけたが、聞きなれている地震速報の音とはちがうし、地響きなんかもリアルなものとは違ったので気にならなかった。
アニメ映画特有の登場人物の非現実的な環境適応能力の高さはあるが、日常のあるあるがテンポ良く盛り込まれているおかげで、登場人物や起こる事柄に共感することができて入り込みやすいストーリーになっていると思った。(SNSやサブスクの描写のあるあるネタの面白さは親世代に通じるのかな?って少し気になった)
声優さんと曲は君の名は。や天気の子のほうが印象的だった。すずめっていう曲は綺麗な絵におても似合っていた。すずめの声は透明感があり演技もよかったが、そうたの声優さんは声質はとても似合っていたが、演技には若干違和感があって少し惜しかった。
震災がテーマなだけあって泣けるけど、前向きになれる映画だと思った。震災をテーマにする映画って、震災が起きていろんなものを失って苦労したり悩んだりするところにスポットライトが当てられがちだけど、この映画は今のすずめはもうたくさん悩んで乗り越えて結論を出しているから変なメンヘラテイストがなくて見てて爽快感がある。
生きるか死ぬかは運ってわかってるはずなのに、普段あんまり考えないで生活している自分がいるよなーって考えさせられる。とりあえず映画館から帰り道、気をつけて帰ろうって思った。