「監督の器用さ・挑戦に脱帽」すずめの戸締まり petaさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の器用さ・挑戦に脱帽
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扱うテーマからして相当な覚悟を持って作った作品なのは想像に易いが、それでいてどの年齢層にも楽しめるような要素が散りばめられていて、本当に器用な監督だなと再認識した。
最後の常世(3.11)における、かつての人々の日常の回想、および現実の焼け野原を描いたあのシーンは、多少なりともコミカルなアニメーションであるこの映画において一番の挑戦だったはず。
正直賛否分かれるのは間違いない。
特に被災者が見ることは要注意とは思う。
ただ、中には救われる人間はいるだろう。
被災ではないが、思春期に母を亡くした人間が身近にいる私にとっては、すずめのあの言葉で感情移入し、涙を抑えられなかった。
芸術作品は得てして相当な思いがなければ鑑賞者には届かない。
この題材でこうも人の心を動かせるのはやはり作り手の思いがあってこそ。
中途半端に扱ったのであればそれこそ大批判を受けるだろうが、現に私は心を動かされたし、この作品には相応の覚悟を感じた。
おそらく今後批判コメントが多くなる作品とは思うが、まずは先入観なくフラットな目線で見てみることを勧める。
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