劇場公開日 2022年11月11日

「新海誠の最高傑作かな。」すずめの戸締まり もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0新海誠の最高傑作かな。

2022年11月12日
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鑑賞方法:映画館

①日本が地震列島であることと日本神話と東日本大震災とを結んで紡がれる物語には、日本民族以外にはその含意が分かりにくいという難点はあるかもしれない。
②主人公の岩戸鈴芽(すずめ)という名前から、すぐ日本神話の“天ノ岩戸”の話と天鈿女命(あめのうずめ)を連想させるし(あちらは岩戸を開けて中にいた天照大神に出て貰う話で、こちらは戸を締める話なので、対比となっているが)、鈴芽の旅の出発点が神武天皇(神日本磐余彦火火出見尊=火という字が入っている)の東征と同じく宮崎県であるし(日本神話をなぞるなら神武東征と同じく最終地点を我が奈良県=大和国にして欲しかったけれど、そうすると東日本大震災に繋がらないので仕方ない)(それと、鈴芽が立ち寄り後ろ戸から出てきたミミズを封じたのが神戸=阪神淡路大震災=、と東京=関東大震災、とする必要があったからだろう)、宗像という名前も古代史に謂れのある名前である(宗像三女神や「宗像教授伝記孝」が先ず思い浮かぶ)。
③もちろん、そんなことを知らなくても十分楽しめる作品ではあるけれども、縄文時代より更に遡る頃からこの列島で地震と共生し、その自然の力を恐れ、敬い、戦ってきた日本民族のDNAがこの物語のバックボーンには確かにあると思う。
④日本列島の下には大きなナマズがいて地震を起こすという伝説と対応して、ここでは地震を起こす“怪し”としてミミズが登場する。
何はともあれ映画の序盤で最初に登場したミミズの映像と、鈴芽と宗像とが力を合わせて『戸』を閉める一幕には本当に感激した。
⑤松本白鵬って何処かの相撲取りか?と思ったら幸四郎だった。
⑥東北道のサービスエリアで鈴芽と環とが心の底にあったものを吐き出し合うシーンはこういうアニメでは珍しい“人間”の生の肌触りがあった。深津絵理は声優としても流石ということか。

もーさん
くりさんのコメント
2022年11月20日

もーさん
こんにちは。
そうですね。神話と本作を照らしていくと興味ぶかいですよね。

くり