劇場公開日 2022年11月11日

「ついにファンタジーをも成功させた新海誠」すずめの戸締まり サイレンスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ついにファンタジーをも成功させた新海誠

2022年11月11日
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試写会を観た人のレビューでは賛否あったので
正直、『天気の子』のように
「君の名は。と似つつ、それを越えられない作品」なのかと不安でしたが、
どうやら杞憂だったようです。

確かに過去の新海作品よりは
『君の名は。』『天気の子』テイストが多く含まれていますが
なにより『星を呼ぶ子ども』のような
強いファンタジー色が今作で取り入れられており、
なおかつ120分のエンタメとして見事に昇華されていました。

『星を~』の時はどちらかというと
芳しくない意見が多かった印象です。

それ以降SF設定は用いれど
ファンタジーに手を出していなかった
新海監督でしたが

今作で遂に新海誠が監督する
『秀逸なファンタジー作品』が生まれた気がします。

内容についてはあえて触れません。
他の方や公式が言っているように
東日本大震災を扱った映画のため、
様々な理由で鑑賞に不安な方は
各々で判断をお願いします。

演技面で言うと
主人公の原さん、ダイジン役の山根さんなど
全体的に演技は素晴らしかったです。
特に草太役の松村北斗さん、お見事です。
「ジャニーズを起用」という点だけで叩いていた人は反省すべきだと感じました。

そもそも公開もされていない作品をネットニュースや予告編だけ見て叩く人は個人的には理解不能なのですが。
批判するならお金を払って映画館まで足を運んで映画を見て、その上で批判するかどうか考えたいものです。

話が逸れましたが
「君の名は。」があまりに注目されすぎて
このまま右肩下がりになってしまう心配も少しありましたが、どうやらまだまだ第一線で売れ続けてくれそうだと感じました。

後半のとある展開が少しひっかかったので
星は4.5にしましたが
映画館まで観に行く価値は十二分にある作品ではないかと思います。

~~~~~~
あれから10年以上の時が経ち、
アノ震災を扱った作品も多くなってきました。
そしてその多くは『亡くなった方々』に向けた作品だと感じていましたが

この作品は『残された人』に向けられた作品です。

勿論それがどう心に響くかは
各々の心に委ねる他にないのですが
私はこの作品を映画館で観れて良かった、
と思いました。

※一部追記アリ

サイレンス