「新海さんの進化を見た」すずめの戸締まり たなちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
新海さんの進化を見た
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前2作は自己中心的な子どもが大暴れしているのを、ひたすら映像美で誤魔化している感じがしていました。
今回は伏線も沢山あり、
すずめ(子ども)がいかに責任のない行動をとっているのか、おばさん(大人)というキャラがいるからこそ分かりやすくなっています。
ダイジン=すずめ自身であり、
ダイジンの気まぐれさはすずめ自身の自由さとリンクしていました。
おばさんはすずめを「うちの子」にして責任をもって育ててくれましたが、すずめはダイジンを「うちの子」としてちゃんと扱いませんでした。
ダイジンはある意味、「捨てられたバージョンのすずめ」だと言えると思います。
私たちの記憶が封じられ、風化し、3.11のことが忘れられ始めた今、
扉を開いて記憶を呼び覚まし、ちゃんと要石(心に刻む)役割を果たしたこの映画は、新海監督の進化を表していると思います。
あと家族要素と恋愛要素のバランスが良かったです。どちらかに寄せすぎてよく分からなくなる作品もあるので。
今回ジブリっぽいなと思いましたが、悪くない寄せ方だったので今後も同じようにして欲しいです。
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